行政刷新会議の事業仕分けが進んでいます。インターネット中継で誰もが査定プロセスを見られる仕組みは画期的で、行政のあり方が大きく変わっていることをまざまざと感じます。
 順に、さまざまな政策が議論されて、科学技術関連の予算も削減されています。理化学研究所の植物科学研究事業、科学技術振興機構の競争的資金といった農業分野にかかわりそうな予算が3分の1、半減といった範囲の縮減を提案されていました。産学官連携にかかわる文部科学省の知的クラスターといった事業は廃止という結論でした。財政が逼迫する中で、優先順位は低いと見られたということでした。
 厳しい判断が次々と下されましたが、どうも環境バイオ分野はほぼ無傷で、概算要求の考え方に沿う形で予算が計上されそうです。事業仕分けにおいては、バイオマス利用にかかわる交付金が議論対象になりますが、環境バイオの研究開発にかかわる部分は削減対象ではありません。環境分野に力を入れていくという政府の方針は随分と固いようです。農水省の担当官に先日お会いしましたら、同様な見通しを語っていらっしゃいました。ただし、将来、環境バイオ分野が、事業仕分けの対象にならないとも限りません。
 どの分野の研究開発にも通じる教訓としては、成果を外向けにいつでも説明できるよう「成果の棚卸し」をしておくべきということでしょう。研究開発のロードマップを分かりやすく示せば、事業仕分けの結論も幾分か異なっていたように思います。その点でやや足りなかったように見えました。研究目標と見比べながら、研究開発の達成度を逐次評価して、達成できたことと、まだ達成できていないことを誰にでも説明できるようするわけです。「実用化はまだ」ではなく、「成果が上がっています」と自信を持って言えるように備えておくべきと考えます。
                              記者 星 良孝
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