日経バイオテク10月26日号の特集で、微細藻類を使った化学品生産の最前線をお伝えしました。微細藻類に関係して、いろいろな方と話していると、水面下で多くの企業が関心を持って、事業化を検討していることに気が付きます。
 再生可能エネルギー全般に当てはまることではありますが、3度目のブームになっています。1970年代の石油危機、事業多角化が盛んだった90年代、そして原油高騰の直撃を受けた2004年以降の3度です。日本においては、経済産業省が先頭になって、2000年まで「ニューサンシャイン計画」として、微細藻類の研究開発が進められていました。事業化という意味では、実現せずに終わりました。経産省としては、再び微細藻類に力を入れることには慎重にならざるを得ないでしょう。企業にとっても同じで、金銭的な収支、エネルギー収支を従来以上に厳しく見ているようです。
 やや及び腰の日本を強く刺激しているのは、欧米の巨額投資です。日経バイオテクでここ2年ほどの微細藻類関連の投資を表でまとめましたが、米Exxon Mobil社の6億ドルを筆頭にその動向たるや驚くべきものです。石油学会の石油・石油化学討論会の会場で、「石油業界に身を置く者はほとんどが微細藻類の巨額投資について承知している」と伺いました。石油業界というのは、時間を経れば経るほど、バイオ分野との距離が縮まっているという印象を抱きます。興味深いことです。
 筑波大学や東京大学、慶應義塾大学など、微細藻類研究に力を入れている、入れ始めている、研究開発の新しい動きも起こりつつあります。目が離せない分野の1つです。
                              記者 星 良孝
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