今週7月27日、民主党が政権公約、いわゆるマニフェストを発表しました。農業バイオ領域で言えば、特筆すべきなのは、バイオマス発電の固定価格買取制度でしょう。
 従来の政府方針よりも、再生可能エネルギーの利用に大きく踏み込むことになります。
政府は、一般家庭の太陽光発電で生じた余剰電力を、電力会社が買い取ることを義務付ける方針を発表済みです。従来の買取価格である1kWh当たり24円の倍額になる見通しでした。それに対して、民主党は、買い取りの対象を、太陽光発電のほか、バイオマス、風力、小水力、地熱に広げると掲げました。この制度設計に携わった中心メンバーである筒井信隆氏は、「地球温暖化対策で、自民党は1990年比で2020年に8%減を掲げたが、民主党は25%減を目指す。その切り札の1つが固定価格買取制度だ」と強調します。
 議論の焦点は、財源を一般家庭の電気料金値上げで対応することです。バイオマスの利用技術をはじめ、新エネルギーを利用した発電効率は高くはありません。負担が一般家庭に来るわけですから、抵抗が出てくることも予想されます。
 さらに言えば、民主党のマニフェストには、原子力の積極利用が明記されています。原発建設が押し進められて、割高な石油や天然ガスを利用した発電のウエートが落ちれば、全体として日本のエネルギーにかける費用は低減されるのかもしれません。バイオマス発電と一口に言っても、バイオマスの形はさまざまですから、仮に固定価格買取制度が導入された場合には、どういった形の事業が想定されるのか、今後、より深い議論が必要になるのでしょう。
                              記者 星 良孝
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