米国のMascoma社が、セルロース系のバイオマスから、直接、エタノールを作り出すプロセスを開発しました。日本の企業が同じプロセス開発に成功していたら、日本経済新聞のトップニュースとして見出しが踊っていたことでしょう。
 今週、私たちの媒体で活躍している小倉紅葉記者が記事として伝えています。商業 規模のプラントでどこまで高効率のエタノール変換を実現するかは未知数ではあります。仮に、このプロセスでコスト、エネルギー収支共に優れたものが実現すれば、米国は 強い競争力を獲得することになるでしょう。
 デンマークのNovozymes社、あるいは米国のGenencor社がセルロース分解酵素の効率 を高める研究を継続的に行っています。米国は、酵素を最大限に活用してセルロース を分解し、そしてそこからエタノールを発酵で作り出す研究を進めてきました。米国 が微生物でも優れた技術を保有しているならば、随分と優位性な立場に立てたと言え るかもしれません。
 日本勢は既にお伝えしました通り、セルロース分解においては、新日本石油などの アンモニアを利用した酵素分解法、あるいは王子製紙などの製紙プロセスを応用した 方法を軸に研究開発が進められる方向です。もちろんセルロース分解の微生物研究も 並行して進められています。世界的に、セルロース系エタノールの技術開発は横並び と言われていますが、日本勢としては、気を緩めることなく商用化レベルの結果を 早期に上げる必要があるのでしょう。
次なるブレークスルーは、日本から出てくるか、米国から出てくるか。あるいは 欧州からか、そのほかか。農業、環境バイオ分野は話題が尽きません。
記者 星 良孝
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