3月4日、川崎重工業グループのプラント専門会社であるカワサキプラントシステムズが、従来明らかになっていた計画に加えて、次期の大型計画を具体的に進めていることが分かりました。同社の島川貴司技術統括部長に取材を行って、同グループがほかのあらゆる新規事業の中でもバイオマス事業に特に力を入れようとしていることを確認できました。
 先日、私たちがお伝えしました新日本石油など6社がかかわる研究組合もそうです。エネルギー分野の原料転換の動きは、今、産業界で最もホットトピックといって間違いなさそうです。
 従来のエネルギーの話題と根本的に異なるのは、石油やガス、石炭といった化石燃料の中での原料転換ではなく、全く別の植物原料に移行していこうとするところでしょう。言うまでもないことかもしれませんが、異分野と思われていたところが本気を出すのは、エネルギーが景気に左右されない必要不可欠な事業領域であることがかかわるのだと思います。
 かつて、多くの企業がバイオ事業に力を入れようとして挫折しました。異分野からの参入は無理なのだという、諦めに似た声が聞かれることはあります。ここで考えるべきなのは、異分野参入は壁が高く、撤退する企業が現れるのは当然ということ。日本において、やはりバイオ関連事業は根強く成長軌道に乗ってきていると見るほう正しいでしょう。
 実は、カワサキプラントシステムズは、この下半期に、細胞の自動培養システムを発売しました。現在、商談が進んでいます。科学系の研究装置は日本がなかなか産業として成長させづらいところでした。長い研究開発をバックに、川崎重工グループは執念でバイオ関連事業を育てようとしていることを感じます。バイオ燃料についてもエネルギー収支やコストの問題で、無理だという見方もありますが、科学技術の奥の深さは人間の創造を超えていくものでしょう。
                              記者 星 良孝
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