企業の第3四半期の決算発表が続いています。バイオ領域に近いところでは東レが赤字になる見通しであることには驚きました。
 2月9日、その東レを含む6社が、バイオエタノールの事業で組むことが発表されました。トヨタ自動車、三菱重工業、新日本石油、鹿島建設、サッポロエンジニアリングと、名だたる企業が協力してバイオ燃料事業に取り組むことになります。この月曜日、火曜日にこの共同事業に関して日経バイオテクオンラインで取り上げました。
 技術開発を加速させることが、6社が組んだ理由です。非食用の原料を利用することが想定されています。セルロースを分解して、C5糖、C6糖を、効率的に分解していくことが重要です。6社の研究を合わせるほか、東京大学を中心とした外部の研究機関が参加します。いわば「日の丸バイオエタノール」というわけで、バイオ燃料の低コスト化に向けた研究開発が加速することが期待されます。
 日本のバイオエタノールは技術的に高い壁にぶち当たっているようです。この研究開発に近い方に話を聞いていると、ネガティブな見方を聞くことがあり、日本でこの事業をさらに進めていくべきかと戸惑う思いが湧いてきます。
 私は、あることを思い出しました。およそ20年前、太陽光発電に対して、光エネルギーから電気への変換効率が低いことから、幅広く普及させるのは難しいという見方を見聞きしたことをよく覚えています。
 日本は最先端を走っていましたが、ドイツは補助金政策を推し進めることで、Qセルズという会社を世界最大手にのし上げました。今や、日本の様々な部材メーカーが太陽光発電の事業に血道を上げているのは、従来の経緯を考えると、隔世の感があります。
 あくまでポジティブに行くべきでしょう。日本において、前向きにバイオ燃料の技術確立に力を注いでいる方々も多くいらっしゃいます。そうしたポジティブな動きが支援されて、研究開発が進んでいくことが大切だろうと考えます。
 足下は、経済状態が荒れて、研究開発にとっては強い逆風が吹く時期です。先行きが見えないからこそ、新しい分野を開拓していく強い意志が求められるのではないでしょうか。
                              記者 星 良孝
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