1月26日、ドイツのボンで国際再生可能エネルギー機関(IRENA)が発足しました。
ドイツの環境・自然保護・原子力安全大臣であるシグマー・ガブリエル氏が会長を
務めます。先進国、新興国を含む70カ国以上が加盟しました。今後、バイオ燃料を
含む再生可能エネルギーにかかわる施策の決定において、IRENAは強いイニシアティ
ブを発揮していく方針でしょう。
 日本はオブザーバー参加にとどまり、加盟を見送りました。この参加を巡って、
自民党内に異なる意見が併存しているようです。衆議院外務委員長を務める河野太郎
衆議院議員は昨年の末頃から、日本のIRENA参加を強く希望していたほか、塩崎恭久
元内閣官房長官や若手の篠田陽介衆議院議員もIRENA参加が日本の国益につながると
主張していました。
 日本が参加しない背景などについて、今週の日経バイオテクオンラインで、「麻生
政権に『環境』の火種」として書きました。国際エネルギー機関(IEA)との位置
づけの違いが曖昧である、首相官邸が環境施策を主体的に進めていないといった問題
があることを、河野氏らは指摘しています。
 2008年度の第2次補正予算の成立の審議が混乱したことに象徴されるように、現在、
日本の政策全般が流動的です。環境政策もご多分に漏れず、今度どういった戦略で
進められるか読みづらくなっています。バイオ原燃料も、そうした状況の影響を受け
そうです。
 自民党や公明党の連立与党は、現在の官公庁の枠組みで、バイオ原燃料にかかわる
研究開発を促すでしょう。農林水産省、経済産業省、環境省が手を携えて、経済危機
に負けない環境施策を打ち出してほしいものです。米国のオバマ政権が打ち出してい
るエネルギー政策、いわゆる「グリーン・ニューディール政策」に倣って、日本版を
策定するのは良いきっかけになり得ます。
 しかし、話はそう簡単にはいきません。というのも、今年の9月までには、必ず
衆議院選挙が行われ、衆議院の勢力図が大きく変わる可能性が高いからです。麻生
政権の支持率は20%を切る状態になっていますから、このままでは2005年9月の郵政
解散選挙以来の自民党・公明党による連立与党の圧倒的優位の形は変わる可能性
が高いでしょう。
 そうなってくると、政府がせっかく決めた環境施策も、民主党による「ちゃぶ台
返し」に遭いかねません。逆に言えば、現在の状況を考えれば、民主党の環境に
まつわる構想を検証していくことも重要になりそうです。
 日本の農業・環境バイオをどのように発展させていくべきか。今後、与党、野党
にも取材をお願いしたいと思っています。今後インタビューでお伝えできましたら、
行政や立法、政治家の声から、国の本気度を読み取っていただけるようにできればと
思います。政治の情勢にとらわれず、中立な姿勢で探っていきます。
                              記者 星 良孝
※※みなさまからのご意見、ご批判をお待ちしております。
https://bpcgi.nikkeibp.co.jp/form-cgi/formhtml.cgi?form=ask_pass4/index.html
◆BTJの関連記事◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
            農業・環境関連の記事
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
研究者採用は「4人に1人を女性へ」、東京農工大学が新施策
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/9140/
麻生政権に「環境」の火種
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/9116/
リグニンを原料とする接着剤の性能が市販品の3倍、東京農工大学の重原淳孝教授らが発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/9028/
※※記事全文をお読みいただくには「日経バイオテクオンライン」への申し込みが
必要です。申し込みはこちらから。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/