今年も残すところあと1週間ですね。2008年を改めて振り返ってみると、「原油高騰」と「金融危機」に世界が揺れた1年だったように思います。環境バイオの観点から見れば、原油高騰は環境バイオ技術の実用化にとって大きな追い風となりました。
 一時1バレル当たり150ドル近かった原油価格は、今や40ドルを切りましたが、世界の原油資源が減り続けていることに変わりはありません。米国のオバマ次期大統領は、ポスト京都議定書の枠組みへ参加することにも積極的な姿勢を見せており、09年、環境バイオに対する世界の期待が今まで以上に高まることは間違いないでしょう。
 さて、08年最後の本メールでは、08年、日経バイオテク・オンラインでヒット数の高かった環境バイオ関連のニュースを振り返ってみたいと思います。無理やり感は否めませんが、あえてキーワードをひねり出すなら、「トヨタ」と「藻」の2つではないでしょうか。
◆2008年・環境バイオのヒットニュースランキング◆◆◆
トヨタグループと北大、ポリ乳酸共重合体を大腸菌で発現させることに成功
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/7107/
トヨタ、国内化学メーカーにポリ乳酸の実証プラントを売却
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/5386/
ネオ・モルガン研究所、
バイオディーゼルを生産する微細藻類の品種改良プロジェクトをスタート
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/5256/
慶応義塾大学、デンソー、
オイル生産微細藻類の脂質メタボローム解析で共同研究着手、CO2を転換するエコ微生物開発へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/2347/
文科省の超大型委託研究で神戸大学が進めるのは…?
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/3585/
我が国のベンチャーキャピタルが、ホワイトバイオに本格投資、欧米を追いバイオに新しい息吹
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/3402/
 08年、トヨタ自動車はポリ乳酸の自前での製造を断念し、実証プラントを帝人に売却しました。その影響があるのかどうかは定かではありませんが、学会や論文などに、同社のポリ乳酸関係の研究成果が発表されることが多かったように思います。
 今年最も読まれた環境バイオのニュースは、まさにその成果の1つ。実証プラント売却のニュースもよく読まれました。ちなみに、ちょうど昨日、トヨタ自動車はポリ乳酸を初めとした植物由来プラスチックの自動車への採用を、09年から大幅拡大すると発表しました(ニュースへのリンクはBTJの関連記事からどうぞ)。
 藻に関するニュースもよく読まれました。ネオ・モルガン研究所のニュースや、慶應義塾大学とデンソーの共同研究のニュースがそれです。他にも、藻類ベンチャーであるオランダAquaphyto社と帝人が共同研究をスタートさせるなど、藻類による燃料や有用物質の生産が研究フェーズから実用化フェーズに入ったことを印象付ける話題が豊富でした。
 今年も一年間、本メールをお読みいただき、ありがとうございました。09年も引き続き、本メールや日経バイオテクを通して、読者の皆様に環境バイオの情報をお届けします。
 では、少し早いですが…、どうぞ良いお年をお迎えください!!
                              記者 久保田文
※※みなさまからのご意見、ご批判をお待ちしております。
https://bpcgi.nikkeibp.co.jp/form-cgi/formhtml.cgi?form=ask_pass4/index.html
◆BTJの関連記事◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
           農業・環境関連の記事
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
トヨタ自動車、
ポリ乳酸など使う内装部品の材料を開発し、2009年から採用へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/8381/
メビオール、
土なしで作物育てるハイドロメンブレンの農業向け市場を開拓へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/8328/
海外発表、Genencor社と米農務省研究所、
冬オオムギをエタノールに変換する共同研究契約を延長
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/8326/
海外発表、McGill大学らの研究チーム、
植物でエピジェネティック記憶が喪失することを実証
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/8309/
海外発表、Worcester Polytechnic Instituteなど、
遺伝子組換えタバコでインターロイキン12を産生
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/8310/
海外発表、METabolic EXplorer社、
1.2-プロパンジオールのバイオ生産がパイロット段階入り
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/8290/
※※記事全文をお読みいただくには「日経バイオテクオンライン」への申し込みが
必要です。申し込みはこちらから。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/