みなさん、こんにちは。東京では、そろそろ梅雨も明けそうな気配で、うれしい限りです。主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)も無事終了したようですね。都内でも警察官や検問の数がぐっと減りました。
 洞爺湖サミットでは、「2050年に温室効果ガスの排出量半減という目標を目指そう」、といった文言を盛り込んだ首脳宣言が採択され、その後、開催された主要排出国会合(MEM)の首脳会合の首脳宣言では、具体的な数値や時期を盛り込めなかったものの、「中長期的に温室効果ガスの削減に取り組む方針」が明記されました。新聞では、「G8の限界」や「先進国と新興国の溝」が大きく報道されていますが、個人的には、「今から42年後とは、だいぶ先だなあ」という印象です。
 2050年、世界がどうなっているのかについては、いくら議論しても正確な予測はできないので、やはり重要なのは今何ができるかということだと思います。その点で行くと、私にとっては洞爺湖サミットのニュースよりも、デンマークNovozymes社が、ついに米国にエタノール生産用酵素の工場を作るニュースの方がインパクト大でした。
海外重要発表、Novozymes社、米国にエタノール生産用酵素の工場建設へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/4404/
 Novozymes社が工場を建設するのは、米国屈指のトウモロコシ産地、ネブラスカ州。同社はそこで、2010年半ばにもアミラーゼとセルラーゼの生産を開始します。需要によっては将来工場を拡張することも視野に入れているとのこと。最も気になるのは、セルラーゼの中身です。具体的なことは公表されていないため、現在取材を進めていますが、想定しているのはトウモロコシの芯などのセルロースでしょう

 いずれにせよこれで、Genencor社とNovozymes社の戦略がまったく違うということがはっきりしました。培養したトリコデルマごと利用しようというGenencor社と、精製した酵素を売ろうというNovozymes社。プロセス工程をセットにしてライセンス料をいただこうというGenencor社と、酵素代だけいただこうというNovozymes社。
 酵素の性能など、未だに分からないところは少なくないですが、米エネルギー省(DOE)の超大型プロジェクトで競って酵素を開発してきた2社が、まさに次のステージへ上がったという印象です。ちなみにBIO2008に参加した編集部の記者によれば、将来、Novozymes社は酵素の輸送費を削減するため、各エタノール工場の横に酵素工場を建設することも考えているようですので、ネブラスカ州の工場は第2ステージの第1段階といったところでしょうか。両社の技術に限りませんが、これからの技術開発によって、洞爺湖サミットで見られたような先進国と新興国の溝が埋まれば理想的です。
                              記者 久保田文
※※みなさまからのご意見、ご批判をお待ちしております。
https://bpcgi.nikkeibp.co.jp/form-cgi/formhtml.cgi?form=ask_pass4/index.html
◆BTJの関連記事◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
           農業・環境関連の記事
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
サミットで非食用バイオマスの利用技術を展示へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/4402/
海外重要発表、Novozymes社、米国にエタノール生産用酵素の工場建設へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/4404/
BT戦略推進官民会議の中間とりまとめ案が持つ2つの意味
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/4164/
海外重要発表、Genencor社、Iowa州に顧客向け技術支援拠点を建設へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/4166/
海外重要発表、Monsanto社、中米のトウモロコシ種子会社を買収
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/4165/
※※記事全文をお読みいただくには「日経バイオテクオンライン」への申し込みが必要です。申し込みはこちらから。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/nbto/