みなさん、こんにちは。連休気分も抜けつつある今日この頃です。ここ最近は連日2008年3月期の決算発表や、新しい経営計画の発表が続いていますが、ここに来て国内の化学メーカーが原料シフトへ向け本格的に動き出したようです。
 三井化学は08年5月12日、経営概況説明の中で非化石原料の活用技術をどのように開発していくか、その方向性について具体的な共同研究先などを挙げて説明しました。ポイントは、「原料の転換」と「非可食資源の利用」。
 技術開発に向け、糖化については神戸大学の近藤昭彦教授らと、保有微生物を増強する目的でニムラ・ジェネティック・ソリューションズ(東京・品川、二村聡社長)と、生体触媒技術を強化する目的でネオモルガン(東京・千代田、森山英之CEO)と共同研究していることを明らかにしました。事業化を狙っているのは、L乳酸やD乳酸、フェノール類などのようです。
 一方、08年5月13日に新しい中期経営計画を発表した三菱ケミカルホールディングスも、三井化学ほど具体性には欠けたものの、早期に事業化を目指すべき育成事業の1つとして、バイオポリマーを選定しました。同社はこれまで石油由来の原料からポリブチレンサクシネート(PBS)を生産、販売してきました。現在の年間販売量は約2000t。このPBSの原料をバイオマスにシフトする計画です。
 バイオマス由来PBSの発売時期、製造拠点などについては明らかにしませんでしたが、「デンプンを原料にすることを検討している」(小林社長)とのこと。また、同社はバイオマス由来のポリカーボネートの製造技術開発も検討しています。
 いずれにせよどの化学メーカーも、化石原料ばかりに拠っている現状では、経営上のリスクが高いということを強く認識し出したというわけです。実際、三菱ケミカルホールディングスはポリカーボネートやポリプロピレンなどを製造販売する事業の名称を、これまでの「石化事業」から「化学品事業」に改め、バイオポリマーを含め、製品の高付加価値化を狙うことを表明しました。
 ただし、課題の1つは、原料となるバイオマスを確保する方策。化石原料からの化学品の製造に関しては、アラブに出て原料を確保しようという化学メーカーも珍しくなくなりましたが、同じようなことがバイオマスでも起きるのか、バイオマス確保の競争に勝つのは簡単ではなさそうです。
                              記者 久保田文
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