皆さん、ご無沙汰しております。
 
 本日、お邪魔しましたのは、バイオで環境や資源問題、そして化学製品の原料転換問題などに深い関心をお持ちの皆さんにぴったりの、BTJプロフェッショナルセミナーのご案内です。11月29日午後東京で開催するテーマは「次世代シーケンサーはバイオをどう変えるのか?」というテーマですが、実はこれ
が皆さんに関係します。
 2007年に起こった次世代シーケンサーの実用化は、7万倍以上のDNA解析スピードと劇的なコスト削減を実現しました。これによって大腸菌のゲノム解読は1匹10万円まで価格破壊が進んだのです。今後はまだ工業的に活用されていない有用微生物のゲノム情報を活用して、理想的なバイオエタノール製造プロセスやバイオプラスチックの開発が進みます。昨年、石油から澱粉に原料転換した米DuPont社の1.3プロパンジオール製造ラインで使用されている組み換え大腸菌は70種もの遺伝子を操作したものです。今後、未活用の遺伝子資源を利用する鍵を握っている次世代シーケンサーの可能性と限界を今回のセミナーでは議論します。是非とも下記をご参照の上、お早めにお申し込み願います。
 
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/seminar/071129/ 
 
 会場でお会いいたしましょう。
 
            Biotechnology Japan Webmaster 宮田 満
 
◆担当者より◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
           ボストンで見た米国のススキ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 
 みなさん、こんにちは。先週から今週にかけて、出張に行っていたボストンは秋から冬の変わり目にありました。おかげで、ある製薬企業の研究所見学のために郊外へ行った際には、きれいな紅葉を見ることができました。
 その際に、目に入ってきたのですが、米国にもかなりススキが生えているのですね。最近、欧米では、将来のバイオ燃料などの原料とすべき資源作物は何か、という議論が熱を帯びてきたように思います。そして、資源作物の有力候補として挙がられているのが、バイオマス量が多いスイッチグラスとススキです。
 いろいろな文献を読むと、オランダや英国など欧州の一部の国々では昔からススキが大規模に栽培されており、栽培、収穫のノウハウがかなり蓄積しているのだそうです。一方のスイッチグラスは、主に米国で資源作物として注目されていますが、米国の中では場所を選ばずに栽培できる上、肥料などがほとんど必要ないため、エネルギーやコスト収支の観点から見ても、有用な作物なのだそうです。
 資源作物として広く利用されることを見越して、米国のベンチャー企業の中には、資源作物で樹脂(モノマー)を生産する技術を開発しているところもあります。スイッチグラスに遺伝子を導入して、ポリヒドロキシアルカノエートの生産へ向けた研究を進めている米Metabolix社です。(記事はこちら↓)
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2004/8468/
 
 そういわれてみると、たんぱく質医薬や樹脂などの化学品を植物工場で生産しようという研究は世界中でされていますが、その中にはトウモロコシを利用しているものも少なくありません。医薬品の入った穀物として消費者に供給するならまだしも、それらを精製して販売するとなると、エタノールと同じように食料との競合という話がでてくるのは避けられないわけで(「薬」vs「食料」、または「化学品」vs「食料」)、その点、資源作物でたんぱく質医薬や化学品を作る動きは、今後、さらに拡大するかもしれません。
 
 ただし、資源作物にも死角はありそうです。資源作物に関する最近の論文やニュースで目立ってきたのは、スイッチグラスやススキが周囲の生態系に及ぼす影響はいかほどか、という論点です。栽培できることと、生態系に影響を及ぼさないことは、イコールではありません。米国では各所で、スイッチグラスやススキの資源作物利用に向けた本格的な栽培実験も行われています。生態系への影響も含めた検証が終わるまで、欧米では資源作物選びの議論は続くことになりそうです。
 ちなみに、私がボストン郊外で見たススキは、栽培実験ではなく自生していたものですが、日本のススキとはだいぶ違いました。穂の部分がバラバラで風になびく日本のススキとは違い、ボストンのススキは穂が全体にボテッとしていて、とても風になびくといった感じではありませんでした。もちろん、資源作物選びに見た目は関係ありませんが…。
 
 今週は、農林水産省大臣官房企画評価課の末松広行課長に寄稿していただく予定でしたが、お仕事の都合で寄稿いただけなくなったため、久保田のコラムをお送りしました。末松課長からは、次々号に寄稿していただく予定です。ぜひお楽しみに。
 
                     日経バイオテク 記者 久保田文
 
◆BTJの関連記事◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
           農業・環境関連の記事
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 
米Metabolix社、
スイッチグラスでPHAを生産する研究を推進中
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2004/8468/
 
海外重要発表、Monsanto社とDevgen社、
RNAi技術による害虫からの作物保護で共同研究
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2004/8270/
 
海外重要発表、Monsanto社、
2008年度収益予想を発表、向こう5年で総利益を2倍に
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2004/8466/
 
海外重要発表、Case Western Reserve大学、
持久力のある組み換えマウスを作成
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2004/8464/
海外重要発表、Shell社とCodexis社、
次世代バイオ燃料開発のため新規酵素開拓で共同研究を拡大
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2004/8465/
海外重要発表、Range Fuels社、
米国初のセルロース由来エタノール生産プラントの起工式を挙行
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2004/8473/
※※記事全文をお読みいただくには「日経バイオテクオンライン」への申し込みが必要です。申し込みはこちらから。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/nbto/