突然お邪魔致しますが、BTJ/GreenInnovationメールの関連サイトであります、Biotechnology Japan( http://biotech.nikkeibp.co.jp )のwebmasterをしております宮田です。本日は皆さんに重要なお知らせをお届けいたします。
 皆さんは、メタボロームをご存知でしょうか?分子量1000以下の代謝産物を網羅的に解析する技術で、我が国が世界をリードしている数少ない先端技術です。更にメタボロームが、生分解性プラスチックの素材であるコハク酸の発酵菌株の改良に既に、応用されていることもご存知でしょうか?
 11月7日、BTJではメタボロームの産業化をテーマに、セミナーを東京で開催いたします。バイオエタノール、生分解性プラスチック、中間体など、今後のホワイトバイオの鍵となる工業発酵用菌株改良に関して、味の素の研究者から発表があります。どうぞ下記を詳細にアクセスして、お早めにお申し込み願います。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/seminar/071107/
 ぜひ、会場でお会いいたしましょう。
              Biotechnology Japan Webmaster   宮田 満
◆担当者より◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          本格化する糖化酵素開発
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 みなさん、こんにちは。秋の夜長、いかがお過ごしですか?
 さて、先日もちらっとお伝えしましたが、世界では次世代のエタノール製造に向けた糖化酵素開発が本格化しています。次世代エタノールとは、トウモロコシやサトウキビから製造している現在のエタノールとは異なり、トウモロコシの芯やサトウキビの絞りかす、廃木材などセルロース系のバイオマスから製造するエタノールを指します。
 10月15日、米Genencor社は、主にトウモロコシの芯やサトウキビの絞りかすに含まれるセルロースを糖化するためのセルラーゼの販売をスタートさせました。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2004/7633/
 同社は最終的に、多様な原料、(前処理方法や糖化、発酵方法など)多様なプロセスに適した酵素を製造するシステム(セルラーゼを生産する菌を培養し、それを糖化同時発酵に利用するようなシステム)を、個々のエタノール製造工場に販売しようと考えているようですが、今回発売されたのは、その標準モデルとなる存在です。今後、個々の工場に合わせてセルラーゼの種類、それぞれのセルラーゼの含有率、反応条件などをカスタマイズしていくことになります。
 ただ、カスタマイズとなると、いちいちコストがかかってきますので、現在エタノールの製造に使われているアミラーゼやその他既存の酵素事業とはビジネスモデルが異なってくるでしょう。逆に、ユーザーから見れば使うバイオマスによっては、かなりコストが高くつくことになります。将来的に、こういった糖化酵素やそれを含めたシステムを使うのは、やはりトウモロコシやサトウキビなど一定量の原料を安定的に確保できるエタノール製造者が中心で、国内で進められているような地産池消で小さく回すモデルには適さないのかもしれません。
 ちなみに、ジェネンコア協和によれば、近くGenencor社のセルラーゼのサンプル提供・発売を開始する予定ですが、今のところは国内では手に入らないということです。(久保田文)
                     日経バイオテク 記者 久保田文
◆BTJの関連記事◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
           農業・環境関連の記事
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米Genencor社、
セルロース系バイオマス利用のためのセルラーゼを発売
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2004/7633/
Indiana大学、
GMトウモロコシが水中生態系に及ぼす影響について発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2004/7536/
海外記者発表、POET社、
セルロース由来エタノールの商業化に向け、DOEと共同開発契約を締結
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2004/7609/
海外記者発表、Bayer CropScience社、
米農務省のGMイネについての調査報告につきコメントを出す
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2004/7611/
海外記者発表、Bayer CropScience社、
Nunhems社を通じ、Teboza Research社よりアスパラガス遺伝資源を獲得
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2004/7610/
海外記者発表、米エネルギー省、
Bioenergy Research Center始動のため3000万ドルを追加支援
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2004/7657/
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http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/nbto/
◆オピニオン◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 バイオマスタウンの可能性~地元資源を活用した地方活性化策として活用を~
                       ―― 農林水産省 末松広行氏
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 現在、霞が関は福田首相の就任と再開された国会での論戦に注目しながら、予算編成作業、政策立案作業に取り組んでいます。来年の北海道洞爺湖サミットに向けた環境政策についての検討は、各省とも熱意をこめて進めているようです。このサミットは、当然のことながら環境に配慮したものであり、また、環境についての日本の貢献を世界に発信できるようなものでなくてはなりません。サミットで議論すべき内容から会場設営まで、さまざまな課題がありますが、そこでどのような工夫ができるか。時間は迫っていますが、まだまだいろいろな工夫の余地があるのではないかと思っています。いいアイディアがあったら、ぜひお知らせください。
 私としては、バイオマスの利活用と洞爺湖サミットをどう関連付けていくかが重要だと思っています。サミット開催に関するバイオ燃料の活用とバイオマテリアルの活用については、当然のことではありますが、キチンとした取り組みをしなければならないと思います。超先端的な技術や素材を展示することだけが重要なのではなく、国際会議の会場や周辺においてバイオマスをうまく活用していく姿を示すことが重要なのではないでしょうか。新しく作る施設にはできるだけ木を使い、事務スタッフなどによって大量に使われる食器、会場への輸送に必要な輸送燃料などにバイオマスを活用するなど、地味でも着実な取り組みを進めたいと思います。以上に合わせて、せっかく緑の大地北海道において開催されることを踏まえれば、北海道の大地の恵みを最大限使った食事の提供も重要だと思っています。
 さて、霞が関での現在の大きな課題のもう1つは、「地域活性化」です。総務大臣の増田大臣が地域活性化担当大臣として政府全体の地域活性化対策をとりまとめることとなっており、各省で検討が進められています。地域活性化の方策としては、いろいろことが考えられますが、今回は、地域活性化とバイオマスについて考えてみることにします。

■地域の現状
 最近、地方の疲弊についてよく議論されます。構造改革が進み、我が国経済は緩やかな回復基調にあるなかで、東京を中心とする大都市部の経済回復が先行し、相対的に回復が遅れている地方との格差が増大しているという指摘があります。事実として有効求人倍率など各種統計からみれば明らかに大都市圏と地方との差が顕在しています。
 この原因はさまざまなものがあると思いますが、農林水産業の状況が影響していることは否定できないと思います。我が国の農業総産出額は平成17年、8.5兆円でした。平成6年は11.3兆円でしたので、25%も下落しています。これは米価が60kg当たり2万2172円から1万4390円に下がったことも大きく影響しています。
 地方の基幹産業は農林水産業です。農林水産業から発生する経済効果が地域の様々な産業や雇用を生み出し、地域社会を形作っている面があります。例えば、農業地域における商業やサービス業は、その地域に全く農業がなくなった場合、単独で存続できるでしょうか。炭鉱の町を想像していただければわかると思いますが、基本となる産業が元気かどうかということは大変重要なことだと思います。そう考えていくと、現在の状況において、地方を元気にするためには農林水産業を元気にすることが必要だということになります。
■バイオマスによる地域おこし
 地域を元気にするためには農林水産業を元気にすることが必要だと言いましたが、ここにおける「農林水産業」とは、食べ物を生産する活動には限らないと思います。地域の資源を活用して、その後の経済波及効果を生じさせるような基本となる経済活動という意味です。 地域のバイオマス資源を活用して燃料や材料などを生産することは、まさにこのような観点から地域を元気にするための基本的な経済活動となり得ると思います。
 日本の各地には、バイオマス利活用という目で見たときに、様々な資源があります。森林地帯では木材になるもの以外に林地に残る残材や製材工場における端材、農業地帯では農産物の未利用部分、家畜の排せつ物等々。都市部においても生ゴミなど。農産物の未利用部分、たとえば稲わらでみても、全国でのお米の生産量約800万トン以上が発生しています。家畜の飼料や敷き料としての活用を進めてもまだまだ活用の余地があると思います。全国にはこれらの資源を活用して地域おこしをしている様々な実例があります。これを全国的に展開していくことが重要になっています。

■バイオマスタウン構想
 平成14年12月27日に成立したバイオマス・ニッポン総合戦略において、バイオマスタウン構想について示されました。 バイオマスの利活用は、地域が自主的に取り組みための目標を掲げて、地域の実情に即したシステムを構築することが重要です。このシステムの構築を目指すものが「バイオマスタウン構想」であり、平成19年9月末時点では102市町村が構想を作成・公表しています。
 バイオマスタウン構想を作るとどのようなメリットがあるのでしょうか。まず、バイオマスタウン構想は、都道府県、関係府省において共有されるので、地域の取組が関係機関に理解されやすいということがあげられます。また、公表された構想は、インターネットを介して、全国的に取組が紹介されます。国の支援の点ですが、例えば、「バイオマスの環づくり交付金」(農林水産省)においては、施設整備などを進めようとする際に優先的な採択をすることとなっています。
■バイオマスタウン構想の実現に向けて
 バイオマスタウン構想を作った地域が、その構想の実現させるためには、さまざまな民間の企業との協力が必要になります。家畜糞尿や生ごみからメタン発酵施設を作ろうという企画を実現するためには、しっかりした理念を持った企業が具体的な計画作りに参画し、しっかりした技術を持った企業が施工することが必要です。各地の構想を具体化するための企業と地域との検討・議論の場が重要になってきています。
 地域の方々と話をしていて、もう少ししっかりした企業とキチンと相談をすれば、いい計画になるのになあ、と思うことが少なくありません。企業の立場としても全国においてバイオマス利活用について得意分野で貢献できることは重要だと思います。有機資源協会が実施しているバイオマスタウンサロンに出席し、構想を作成している自治体の話、バイオマス関連技術を持っている会員企業の話、その双方を聞いたとき、今後はこのような機会を増やして、全国で着実なプロジェクトが次々に実施されるようになることが望ましいと感じました。
                        (農林水産省 末松広行氏)
※バイオマスタウンについて
http://www.maff.go.jp/j/biomass/b_town/index.html
※有機資源協会 
http://www.jora.jp/