みなさん、こんにちは。昨日の突然の首相辞意表明、驚きました。体調不良や脱税疑惑など、いろんな憶測が飛び交っておりますが、安倍首相がお辞めになることに違いはないので、その影響を探るべく、本日は朝から省庁のバイオ関係各課に取材をしてみました。
 その結果、官僚の方々から聞かれたのは「あんまりにも突然なので、混乱中」(内閣府担当者)、「はっきり言って先のことはよく分からない」(文部科学省担当者)といった言葉でした。さすがに誰にとっても予想のつかない展開だったわけで、官僚の感想は、国民のそれと同じようなものでした。
 とはいえ、08年度の予算に関しては、微妙な影響が出ることになりそうです。ある官僚は「地域重視、地域への均等配分のような考え方を持った政治家が首相になれば、現在、競争力のある研究機関・大学などへ重点的に配分されている予算を、より均等に配分しなければならなくなるかもしれない」との考えを示しました。そうなれば、昨今増えている競争的資金、公募型研究へのブレーキにもなりかねません。
 ただし、地域振興や道路建設とは異なり、研究開発の世界は、“均等”や“バラマキ”でうまくいくものではありません。次の首相が誰になるにせよ、研究開発予算の配分については、冷静な判断をしていただきたいところです。
                     日経バイオテク 記者 久保田文
 追伸:私も取材に参りますが、9月19日から3日間、横浜にて「BioJapan2007」が開催されます。環境・アグリ関係ですと、19日の15時30分からは「環境産業~バイオフューエル」、19日の16時からは「台湾グリーン・バイオパーク」のセミナーが開催されます。残席わずかですので、下記のURLからぜひお申し込みください。ちなみにセミナーはすべて無料です。
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◆オピニオン◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        バイオマス燃料、初の商業化の意義
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 大成建設、丸紅、サッポロビール、東京ボード工業、大栄環境の5社が出資したバイオエタノール・ジャパン・関西がバイオマスエタノールの商業生産に乗り出す。同社は大阪府堺市に建設した工場で、建築廃材、紙くず、おからなど年間4万から5万tの廃棄物を逆有償で受け取り、年間1400KLのエタノールを製造する。
 
 これまで、製造したエタノールの販売先がないことが問題となっていたが、07年7月、環境省は「エコ燃料実用化地域システム実証事業」として大阪府を採択。その事業の中で、バイオエタノール・ジャパン・関西が製造したエタノールを買い取り、中国製油の油槽所でエタノール3%混合ガソリン(E3)を製造、港南、村川商会などの協力で大阪府内十数か所のガソリンスタンドで07年8月からE3を流通させることになった。
 
 この事業で重要なのは、このモデルが国産バイオマスを使ったエタノールの事業化のモデルになる可能性があるという点だ。バイオマスが分散して存在している国内で、エタノールを利用しようとすれば、原料や燃料の輸送にエネルギーのかからない地産地消の仕組みの下、国内で製造できる工場が1カ所しかない(工場への輸送にエネルギーがかかる)エチル・ターシャリー・ブチル・エーテル(ETBE)原料としてエタノールを利用するのではなく、直接混合する方が合理的。バイオエタノール・ジャパン・関西の取り組みは、そういう意味で注目される。
 
 もちろん、エタノールの製造技術としては、希硫酸を使うために大量の石膏が出ることや、現時点では5炭糖だけの利用に限られていることなど課題はある。ただし、バイオエタノール・ジャパン・関西にエタノール製造の技術を提供している月島機械は酵素を使った糖化法で6炭糖も利用する方法を開発中で、大成建設の担当者も、「将来的にはそういった技術を取り入れて行きたい」と話している。
 
 技術は時間とともに進展するが、エタノールを流通させる仕組みは時間があれば解決するというものではない。国産バイオマスを使う場合、製造されたエタノールをどのように流通させるか――。この点は技術開発以上に重要だ。(日経バイオテク 久保田文)