昨日のリーガエスパニョーラでメッシがまたハットトリック、格下ではありますが、オサスナに8:0の快勝です。まるで野球のようなスコアですが、オサスナの守備が必ずしも崩壊した訳ではない。まるでピラニアのようなバルセロナの天才達が面白いように、ゴール前でパスを繋ぎ、守備を切り裂いた結果です。他のサッカーリーグの王者たちが不調をあえいでいるのに、バルセロナだけは相変わらず絶好調。セスクをバルセロナに放出したアーセナルのベンゲル監督のため息が聞こえてきます。
 さて、バイオです。変化は静かに訪れました。
 2011年9月16日、米国Obama大統領がAmerica Invest Actに署名、59年ぶりに米国特許法の大改正が施行されました。最大の改正は世界で頑なに先発明主義を取ってきた米国がこれを放棄、先出願主義に転換したことです。正式にはこの法律の施行18ヶ月後から、米国も日本、欧州と並び、先出願主義に変わります。(http://www.whitehouse.gov/  左記のホームページでAmerica Investで検索すればプレスリリースが出ます。)
 これによって、今まで特許紛争が起こるまで不明確だった一体誰が一番早く発明の権利を確保できるのか?ということが、最初の発明を申請した人であることが、日米欧で明確となりました。勿論、権利範囲などについて紛争は残るでしょうが、米国が先発明主義に固執していたため、面倒で費用が掛かるインターフェアランスなどの法的な紛争処理が必要だった最終的な権利確定が、簡便化されると期待しています。米国お得意のサブマリン特許などのルールがあるようでルールがない、恣意的な特許法の運用にも一定の枠をはめることができると期待しています。やっと、日米欧で、知的資本主義の基盤である特許制度の根本原則の統一化が進んだのです。
 よくぞアメリカが折れたと思う読者もいるでしょうが、先発明主義は米国企業にとっても重荷になっていたのたと私は確信しています。煩雑でコストのかかる米国の特許制度が、企業にとっても国際競争力の頚木になっていたのです。
 身近な例では我が国が完勝しつつあるiPS細胞特許です。今年2月1日に商業化では京都大学のライバルであった米国iPierian社にiPS細胞製造に関する基本特許を非独占的ライセンスを1月27日に与えたと発表しました。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2010/110201_1.htm
取材してみると、実はiPierian社が京大との特許紛争によるインターフェアランスを避けるため、京都大学に競合する同社の特許(ドイツBayer社のヒトiPS細胞特許も含む)を無償譲渡し、その見返りに非独占ライセンスを得たことが明白となりました。あれだけブラフをかましていたiPierian社も、コストと特許の強弱を勘案し、土俵際で名を捨て、実を取った格好です。リスクマネーを大量に集め、新技術を開発するベンチャー企業にとっても、不明確な先発明主義は特許紛争が避けられず、と特許網の強弱を判断する根拠も不明確となる点が、経営上のリスクに今ではなってしまったのです。先発明主義と、確かに理念は美しいが、実効性の無い制度に依存していては、世界の超大国も知識資本主義の競争で沈没せざるをえない状況だったと考えています。
 皆さん、BioJapan2011、今年も10月5-7日、パシフィコ横浜で開催いたします。会場でお会いいたしましょう。展示会とセミナーの無料登録は以下のサイトでお急ぎ願います。
http://expo.nikkeibp.co.jp/biojapan/2011/
 台風接近中です。今週もご自愛願います。