土居美咲はリシツキの豪打の前に敗退しました。しかし、初出場でいきなり三回戦進出は、ドローの運とつきだけではありません。2mに近い選手が輩出し、巨人化するグランドスラム大会の中で、身長150cmの小兵が小気味よくウィナーを決める姿は、まるで牛若丸みたいでした。是非とも、土居選手が尊敬するエナンの後を追って、グランドスラム制覇の夢に挑戦していただきたい。
http://www.tennis-navi.jp/blog/misaki_doi/
 製薬企業のライセンス担当者とバイオ関連の投資関係者向けの勉強会、バイオファイナンスギルドの第10期を7月から開始いたします。良くも10年間も続けていますが、今年も懲りずにバイオの輪を広げます。
 10年前のバイオ投資バブルの時代と比べ、急速に環境は変化しておりますが、2008年頃より我が国の製薬企業が国内のベンチャーやアカデミアのシーズ探索に力を入れるように戦略転換が起こり、現在では投資関係者だけではなく、大手製薬企業のライセンス担当者が参集するようになっています。バイオを発端とした生命科学や創薬のイノベーションはまだまだ継続しており、従来の企業の研究所のネットワークからどうしても漏れ出てしまいます。我が国の製薬企業が90年代にバイオから撤退、2005年以降に再参入せざるを得なかった失態を招いたのも、こうしたイノベーションギャップを、従来の研究組織が内包していたためです。これは残念ながら我々の心の中に、「Not Invented Here」という観念がどうしても存在するため、止むを得ないのかも知れません。そのため、経営者は内部の情報だけでなく、外部からの客観的な評価と、更に今までの研究所人脈以外の先端技術を探す人材とそれを核としたネットワークの形成が不可欠であると考えています。
 バイオファイナンスギルドは、こうした先端技術のネットワーク形成のハブを目指しております。まだ、参加していらっしゃらない企業の方はどうぞ、 btj-ad@nikkeibp.co.jp に資料請求願います。もうすぐ、締め切りです。お急ぎ願います。
 さて、厚労省の薬事戦略相談の実施要項が決定した模様です。これがドラッグラグ、デバイスラグを生んだ江戸時代の発明ご法度のような厚労省の審査体制の革新に繋がると一縷の希望を抱いておりましたが、案の定、再び漸進的改革に留まりました。ツギハギで整合性を合わせようとしているため、制度的明快さを欠き、本当に役に立つのか?大いに疑問です。厚労省も、医薬品医療機器総合機構も一生懸命、民の救済を考えて、努力はしているのですが、抜本的な対策ではないため、増築を繰り返した古い旅館の様であります。まったく使いにくい、また、火事などが出た時(つまり、バイオのような破壊的イノベーションが起こった時)には対応に手間取り、お客の命(国際競争力)まで失いかねない。今回は再生医療の確認申請を代替するという善処があったのですが、このような手続き論的な議論だけでは対処できない状況に、我が国の革新的な医薬産業の振興と規制の問題は到達したと考えるべきであると思います。
 一例を申し上げれば、バイオベンチャーの定義ですが、これを経産省などの定義を援用、資本金3億円未満といっておりますが、創薬を志向するベンチャー企業では自己資本金3億円では到底、臨床試験申請まで辿りつけません。投資バブル時代に、投資をかき集めたバイオベンチャー企業はいずれも、3億円以上の資本金となっており、減資しない限り、今回の制度改革のターゲットとなるべき企業群は資格を機械的に資格を失ってしまいます。やれ国の資金投入がいくら以上では駄目、製薬企業からの資金が入っていては駄目など、やたら制約が目立つのも気になります。また、薬事戦略相談が対象とする分野も曖昧です。再生医療への対応でしたから、ここは逃せないにしても、がん、小児疾患、希少病、革新的技術を応用した製品とは一体何なのか?対象を絞ることに意味があるのか?
 どうやら今回の議論を聞いていると、総合機構の人員不足・能力不足を理由に、相談件数をなるべく絞ろうという恐怖心が背景にあります。しかも、そのために相談を受ける側である医薬品医療機器総合機構が、相談の対象案件を選択するという仕組みまであります。しかも総合機構が実用化の点からも審査するというのですな。元々、そうした選択の能力がなく、そうした業務を付託されたことがなかったため、ドラッグラグやデバイスラグを生じ国民が生命の危険やQOLの低下に曝されても、対応できなかった総合機構がこのような業務を行ってはなりません。むしろ、後から外形的に利害相反を犯した。つまり総合機構が選択した案件を、多少の瑕疵がありつつも認めてしまった結果、国民に被害を及ぼしたという批判を受ける可能性を恐れます。製薬や医療機器産業の振興と国民のリスク・ベネフィットの秤にかける審査は、同じ機関がやってはならないと考えています。きっと真面目に職員は奮闘するはずですが、何事も李下に冠を正さず。人間の命にかかわることは公明正大に進めなくてはなりません。私は厚労省が薬事戦略相談の対象者を選択して、総合機構に相談を指示すべきであると考えます。厚労省の責任として、総合機構に相談を付託した以上、充分な予算措置を確保することも当然であると考えます。また、製薬企業も難病に対する基金を創設したことに加え、ベンチャー企業の創薬を支援する基金を創設、厚労省とコファンディングすることも検討すべきであると思います。このコファンディングのプロセスを通じて、商業化の評価が実現すると考えています。
 最後に薬事戦略相談のミッションを明確にしなくてはなりません。技術革新を通じて国民の健康と幸せを実現する。こうスッパリいっていただくては、制度に魂がこもりません。実際には臨床試験の上流である創薬の研究開発投資やJSTのプレベンチャー制度など、国全体の制度をこのミッション実現のために、再編成すべきであり、これこそが行政手続きの問題ではなく、政治の構想力の問題であると思います。内閣官房に今年新設された医療イノベーション推進室の出番だと確信しています。
 今週もどうぞお元気で。