昨夜の日本代表VSチェコの試合は見ごたえがありました。新しい布陣で臨んだため、必ずしも得点には結びつかず、引き分けに終わりましたが、ペルー戦と比べ、著しく戦術を共有したチームがそこにはありました。英国プレミアリーグで活躍している世界最高のゴールキーパーがチェコにいなければ、遠藤のフリーキックと李のゴール前の押し込みで2点は取れていたはず。しかし、日本代表の実力が上がれば上がるほど、練習試合の相手の力も向上するのですね。一流の精密守備を披露したチェコには感謝しなくてはなりません。
 さて、昨日まで米国Chicagoで開催されていたASCO(米国臨床腫瘍学会)年次総会はJAK阻害剤の発表を除き、見るものが無かったと悪口を言う向きもありますが、個の医療には大きな進展が発表されました。個の医療VS標準治療という大胆な臨床試験結果の発表が米M D Anderson病院のチームからあり、事前に遺伝子レベルでがんの以上を調べ、その遺伝子異常に治療効果のある抗がん剤を投与した患者群(175人)と、遺伝子異常が判明せず、あるいは遺伝子異常があっても該当する標的薬が無い患者群(116人)に対してがん種ごとの現在の標準治療を行った比較臨床試験の成績が発表されました。
http://chicago2011.asco.org/ASCODailyNews/Personalized.aspx
 軍配はずばり個の医療に上がりました。これほど明確に、個の医療が重要だと示した臨床研究はなかったと考えます。
 PR、CRを含めた治療法の臨床応答率では、個の医療は27%に対して、標準治療は5%。無増悪期間は13.4ヶ月VS9ヶ月と圧勝でした。12種類の遺伝子を解析して実施した個の医療の優位性が示されました。今後、がんを引き起こすエンジンとなるがん遺伝子異常とその標的医薬がそろえばそろうほど、従来の病理・組織的ながんの分類と治療薬の選択が、患者さんのがんの治療を阻害する要因となることを示唆しています。
 医学教育も含め、原因別に疾患概念を再構築した医療が必要となります。
 どうぞ皆さん、今週もお元気で。