やっとゴールデンウィークも終了しました。昔は心地よい筋肉痛であったものが、今では歩行障害を招くほど。遊びすぎてとぼとぼと職場復帰です。これからも暫くはストレッチングに励まなくてはなりません。やれやれです。しかし、これからの2週間は我が国が最も美しくなる季節です。皆で元気を出して、我が国の自然の穏やかな側面を楽しみましょう。
 さて、カレンダー通りGWも勤務しましたが、霞ヶ関をうろついていると、現政権の統治能力に対する不満ばかりを聞かされることになりました。政治主導という名の下に、今までの官僚支配からの脱却を目指す民主党政権にとっては今回の東日本大震災はまったくの逆風となりました。太政官制度以来の伝統的な官僚組織を一新し、新しい統治機構を創造するには時間がまったく不足していたためです。菅総理の延命には繋がりましたが、地方選挙で民主党は大敗、国民はかっての政権交代の熱気を失い、保守回帰を強めています。
 しかも、電気料金の値上げや消費税の増税など、昨今の民主党政権の主張は財務省による国家財政維健全化政策の口移しのような政策ばかり。政治主導と言いながら、事業仕分けの時と同様に、衣の下から財務省の鎧が覗いています。こうした政策をとるならば、東京電力管内の事業のコストは増強し、我が国の消費は冷え込みます。この結果、ただでさえカントリーリスクの高まった日本から製造業が海外へ移転、消費税増税によるサービス産業の打撃で、我が国の衰退に拍車が掛かることは必然です。これでは結局、東日本の復興の原資となる税収の確保もままならない。民主党政権・財務省の最大の問題は想像力の不足、現場感覚の欠如にあります。
 目前を処理するために、その後の事を忘れる。現在、被災者のための仮設住宅の建設が滞っている理由は用地不足ですが、そんなことはこれだけ大規模の災害となれば予測可能です。それなのに、現政権はあくまでも、仮設住宅が平屋であることに拘る愚を犯しました。このような例は他に数多あるというのが現状です。これは現政権だけの問題ではなく、多分、本来は内閣に属するのに、今まで予算編成権を事実上握り、今も握っている財務省がリードする我が国の官僚制度の制度疲労を示しています。原子力損害の賠償に関する法律の第4章を見ても、被害救済のために、東京電力が社債を発行して、それを政府が保証する形で資金を被害者に供給することは可能です。このアイデアが実行できないのは、原子力被害の国による救済を決めるのが文部科学大臣であり、財務省ではない点であるとするならば、我が国の官僚機構は動脈硬化の極みにあるということです。経産省大臣はやたらTVに登場するのですが、損害賠償措置の内容を承認する文部科学大臣の影が薄いのは不思議です。今回の損害補償は法の定める東京電力の賠償責任、1200億円を上回ることは避けられず、当面の被災者の安心を担保するためにも、国会で損害補償額の枠を確保しなくてはなりません。国債の暴落で脅しをかける財務省から主導権を確保するためにも、暫定的な国家による補償枠を早急に国会で定めるべきではないかと考えます。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S36/S36HO147.html
 合わせてお盆過ぎに復興が本当に一段落するら、国家を守ることが重要なのか?国民を護ることが重要なのか? 改めて、幅広の議論を行い、我が国の法体系全体の見直しも必要なのではないか、深刻に考えています。原子力で明らかになったことは、我が国の法律は憲法も含めて穴だらけ、しかも改正ばかりで、増築を重ねた古い旅館のように非効率で、国民を護ることができないことです。これでは国は信頼される訳はない。安心して暮らすためにも、是非お願いしたい。法体系を変えることこそが、政治主導の中核であると思います。
 さて、GWのもやもやを述べたために、紙面が不足しました。最後に一行だけ。協和発酵キリンが連休直前に、同社のポテリジェント技術で、フコースを除去した高抗体依存性細胞障害作用抗体の販売申請を我が国で世界に先駆けて行いました。今後10年間はバイオ医薬開発の焦点となる抗体誘導体技術の商品化を大きく加速させるものです。いよいよ抗体医薬の商業化は第二期に突入、抗体誘導体の収穫の季節を迎えました。2012年に予定される実用化が楽しみです。また、期待が大きいだけに、市販後の副作用などの検討も慎重に進められなくてはならないと思います。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/8652/
 どうぞ、皆さん、新緑をご堪能願います。