東日本大震災に被災された方に、心からのお見舞いを申し上げます。復興は急ピッチで進みつつあります。水や食料、燃料の供給が安定的に一刻も早く確保されることを祈っております。全国から支援の動きが各所から起こっております。東京都への人工透析患者の集団避難なども始まりました。国だけでなく、自治体の力強い支援に、日本のしぶとさと健全性を見ます。寒さは続きますが、春はもうすぐです。
 さて、今回の震災では鹿島神宮、東京の乃木神社、そして私の近所の須賀神社の鳥居も、倒壊したり、根元にひびが入りました。きっと各地の石鳥居にも大きな被害が出たのではないでしょうか?海外のメディアを観ると、まるで日本中がパニックになっているような報道もありますが、都内は粛々と節電に励み、そして黙々と満員電車で通勤する人々であふれています。確かに、ネオンや街頭が消され、昭和のような街に戻った感がありますが、街は冷静です。ガソリンスタンドの給油を求める長い列もかなり解消されており、東京は平静を取り戻しつつあると考えたい。震災は救急対策から復興へと次の段階に入ったのです。どうやって、資金と人材を確保して、災害地を復興し、日本の経済を立て直すか?3月22日の日本経済新聞の堺谷太一氏の提言は参考になります。短期、中期、そして長期の対策を同時に進める強力な執行機関(関東大震災の時の帝都復興院のような)の創設を提案しています。
 長期の復興計画は当然のことながら、東日本震災を乗り越えて未来にどのような日本を創るかというビジョンが必要となります。帝都復興院が断行した都市計画がその後の東京の大発展の基盤となりました。確かに、ビジョンでは空腹は満たされませんが、希望の無い毎日を過ごすことは、もっと辛いことです。今こそ、将来ビジョンを明示して、心を一つに、新しい日本を誕生させるムーブメントを起こさなくてはなりません。周知を集めて、製造業資本主義モデルからの脱却を目指す時であると思います。
 さて、バイオです
 研究者や関係者の生存や安全確保が何より重要ですが、それが終わったら、私は生物資源の保全がまず火急の急務であると思います。先達が収集した遺伝資源は一度失うと、お金では購えないものです。機械や試薬など、補充可能ではない生物資源(バイオリソース)の点検と保全、そして次の災害に備えた安全確保の対策を講じなくてはなりません。今回の震災で、かつて日本の海洋バイオ研究所(国家プロジェクトで民間企業が設立)が20年費やして、世界の海から収集してきた5万株の微生物株のかなりの部分が失われた可能性があります。2008年から北里大学海洋バイオテクノロジー釜石研究所が継承していたのですが、津波で釜石湾に臨んでいた研究所の1階部分が被災しました。新薬や環境エネルギー研究に貢献できる世界的に見てもきわめて独創的な生物資源が失われようとしています。
 今後、東京電力管内では福島原子力発電所や柏崎原子力発電所などの稼動が期待できないため、夏場の電力需要のピークには計画停電が拡大する可能性すらあります。微生物株や細胞株をディープフリーザーで凍結保存している場合は、停電が長期で頻回になった場合、非常用電源(普通の研究機関では短時間の停電に対応する燃料しか備蓄していません)の確保や液体窒素の確保ほ是非とも確認し、対策を講じておかなくてはならないと思います。
 文部科学省のライフサイエンス課も生物資源の保全に全力を挙げています。もし、生物資源の保全に困っている研究者は是非とも、文科省のライフサイエンス課(03-6734-4113、kumikae@mext.go.jp)にご相談願います
 下記にGoogle Mapに日本各地の放射線量の計測サイトをリンクした地図をご参考までに示します。福島県もやっと最大2時間遅れですが、放射線量を発表し始めました。政府よりGoogleの方が頼りになる状況は必ずしも歓迎できませんが、参考にして行動願います。
http://maps.google.co.jp/maps/ms?hl=ja&ie=UTF8&brcurrent=3,0x34674e0fd77f192f:0xf54275d47c665244,0&msa=0&msid=208563616382231148377.00049e573a435697c55e5&ll=39.13006,140.229492&spn=17.158657,39.111328&z=5
 どうぞ、今週もご自愛願います。