インテルがローマを5:3で破りました。激戦です。長友選手はセリエAデビューを17分間でしたが、無事務め上げました。低い鋭いマイナスのパスは見事でした。パスを受けた選手が、下らぬスールーをしなければ、ひょっとしたら1点、入っていた可能性がありました。スナイデル選手との交代は耳を疑いました。凄いことです。後半投入とはいえ、スピードもローマのディフェンスを置き去りにするなどこれからが楽しみです。
 さて、バイオですが第二世代の抗体医薬として新たな抗体分子の誘導体に注目しなくてはならなくなりました。今まで、第二世代と言えば、糖鎖の修飾と毒素や抗がん剤を結合した抗体複合体に注目しておりました、抗体分子の新たな誘導体が近く我が国で臨床試験を開始することが判明いたしました。
 先週の記者会見で中外製薬はさらりと発表しましたが、抗インターロインキン6受容体抗体「アクテムラ」の後継品SA-237が、臨床試験に発表するという記事は重要です。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/6836/
 SA-237は中外製薬が独自開発した抗体誘導体です。アミノ酸配列を改変することによって、IL6受容体と結合したSA-237が細胞内のエンドソームの水素イオン濃度の変化によって、乖離し、エンドソームでのたんぱく質分解酵素の攻撃に耐え、再び細胞外に分泌されること(抗体のリサイクリング)によって、血中の半減期を延長することに成功した、長期作動性の抗体誘導体です。この修飾の原則を応用すれば、受容体と結合して、細胞内に取り込まれ代謝される抗体医薬の半減期を延長することを夢ではないと考えます。
 従来のバイオ医薬の血中半減期延長の手段はPEG化や糖鎖の結合本数の増加がせいぜいでしたが、抗体分子に関しては、新たな誘導体を遺伝子操作で改変し、リサイクリングを加速するというまったく新しい概念が応用できることを証明いたしました。今後、先行する抗体医薬の第二世代開発に利用される可能性が濃厚です。
 考えて見れば分子量15万の抗体分子は誘導体開発の可能性に満ちています。分子量1000程度の低分子とは比べられない誘導体が創出できるのです。今までは特異性向上や親和力の向上などに注目が集まっていましたが、抗原結合部位以外のアミノ酸配列の改変が、抗体分子が持つ多様な生物機能(ADCC、CDCC、体内動態、細胞内動態、他の細胞の認識機能、自己分子や他分子の会合など)の変更に繋がる可能性を、SA-237の臨床試験入りは示したと思います。
 中外製薬の研究陣に倣い、もう一度、抗体分子の誘導体の可能性をマニアックに検討すべきではないかと、真剣に思っております。
 どうぞ今週もお元気で。