今朝、庭の池に薄氷が張っていました。氷の下でメダカはどうしているのか、心配です。変温動物ですから、寒いという感覚がないのでは?と邪推しています。寒くなるとすべての代謝反応が低下して、休眠に近くなり、寒さを感じないことを祈っております。ただ、少なくとも、今朝の東京の気温(氷点下)よりは、暖かいところで暮らしていることも考えると複雑な気持ちです。メダカを羨んでもショウガナイ。お仕事お仕事です。
 サッカーの日本代表は歴史を創りました。監督のザッケローニの能力は今までの日本代表監督(ハンスオフト監督には感謝)が束になっても敵いません。イタリアではプロ選手経験のないザッケローニに有力選手が反発して、実績が上がらず「もう終わった監督」と言われてました。しかし、彼の言葉に素直に耳を傾け、しかも献身的にピッチを走りまくる日本の若き才能に出会い、彼も燃えたのではないでしょうか。自分のビジョンを実現できる可能性に。故障者や退場者が続出する苦難を、控え選手の投入による戦術の鮮やかな転換で乗り越え、アジアカップの優勝を我が国に持たらしました。試合でヒーローになるチャンスがある控えの選手の心にも火がつきました。硬直したチーム編成しかできなかった今までの監督とは雲泥の差です。選手も国民も皆、元気にして頂きました。
 決勝点となった李選手のアウトサイドの美しいボレー・シュートも、延長戦に入るまでサイド攻撃は低いクロスで勝負を続け、延長戦でロングクロスに戦術を鮮やかに変えた結果です。正面のキーパー以外、無人のバイタルゾーンに居た李選手は、見事に決勝弾を叩き込みました。それも延長戦になっても運動量が落ちない長友選手がオーストラリアの守備陣を振り切り、精度高いロングクロスを上げられることと、さらには身長で勝り、日本はゴール前にロングクロスを上げて勝負はしないという、オーストラリアチームの油断を計算した、ザッケローニ監督の戦略です。まるで多数の伏線が秘められている上質な推理小説のどんでん返しでした。これだからサッカーは止められない。わが国はここに来て、初めて国際的に駆け引きができ、それを体現できるナショナルチームを編成できました。
 試合後のインタビューで、李選手と代わった前田選手を労わり「ヘディングの強い前田を変えるリスクはあったが、敢えて点を取りに言った」と細かい気配りまで示しました。「監督はいつも僕に自信を与えてくれる」という本田選手の発言にも、素直に頷くことができます。変化に対応するビジョンと選手をやる気にさせ、ビジョンを実行する人間力、この二つが今のザッケローニ監督にははあります。
 敢えて言いますが、バイオ技術開発もサッカーも、基本的には同じです。
 現在、我が国の製薬企業が何故、バイオ医薬開発で10年欧米に出遅れ、これからどうするのか?バイオ医薬再参入のトップインタビューを連載しております。現在、武田薬品を終了、エーザイの内藤社長のインタビューを掲載中です。是非とも下記よりご覧願います。
http://biotech.nikkeibp.co.jp/NEWS/sp_show.jsp?spid=93
 我が国のトップ4企業に取材いたしましたが、いずれもバイオ医薬に出遅れた理由の一つとして、化学合成技術という硬直した技術体系に拘泥し、世の中の変化に目をつぶっていたことがありました。しかし、10年も出遅れるたのは、社長(監督)を含めた経営陣の先見性の無さ、変化を嫌って、勇気をもって組織変革に挑戦しなかった臆病さがあったからです。責任は避けられないでしょう。いつまでも同じ戦略(ゾロ新と化学合成技術)で勝利できるとして、チームを硬直化し、控え選手(バイオ医薬)の育成を怠ったのです。
 これでは、ロングボールによるヘディング勝負だけを単調に続け、キーパーチャージ(川島選手に対するアタックは目に余ります、主審はファールを取るべきでした)を繰り返した汚い試合を展開したオーストラリアのチームとなんら変わるところはないのではないでしょうか?
 不埒な例えだとご立腹の読者もいらっしゃると思いますが、ビジョンと人間力、この二つこそが、サッカーでも、バイオの技術革新でも、大きな変化に直面した組織が、未来を築くために最も必要な力です。
 エーザイの凄いところは、内藤社長が「Morphotek社と出会うまでは、何でもエーザイでできると思い込んでいた。(経営としては)ひよっこだった」と明言、今後の医薬の技術革新を取り込むため、PCU(プロダクトクリエーションユニット)という分散型の組織に、エーザイそのものの変革する大胆な改革を始めたことです。バイオ医薬などの技術革新を取り込むためには”新しい皮袋が必要”という内藤社長のビジョンは間違いない。後は、本当に実現可能なのか?という素朴な疑問ですが、こればかりは時の審判を待たざるを得ません。今後もエーザイを注目したいと、考えます。ビッグファーマとベンチャーの中間を占める日本式イノベーションモデルを作り上げるかも知れません。
http://biotech.nikkeibp.co.jp/NEWS/sp_show.jsp?spid=93
 ちょうど、今、米食品医薬品局からメールが届き、中国政府が10年間、3億ドルをThe Human Variome Projectに投入することを決定したと伝えて参りました。ヒトの遺伝子疾患の変異と民族的な変異の両方のデータベースを統合して、ヒトの多様性と疾患遺伝子や疾患抑止遺伝子を解明し、知識を共有しようという国際プロジェクトです。このプロジェクトは、オーストラリアのMlebournes大学the Howard Florey Neurosciences Instituteのthe Genomic Disorders Research Centreのセンター長であるRichard Cotton氏が提唱したものです。サッカーはいただけないが、バイオでは豪州が中国と連携して野心的な国際共同プロジェクトを始めました。
http://www.humanvariomeproject.org/
 既に欧米中心のバイオ研究という古い概念は壊れつつあります。バイオをやる以上、これからも変化に立ち向かわなくてはなりません。研究力だけでなく、経営力とリーダーシップが必要です。我が国のサッカーも変革を始めたのですから、バイオ関連企業や政府も変化に対応できる体制整備を急がなくてはなりません。
 今朝も、法案を作るのには3年も5年もかかるという官僚の講義を聞いて参りましたが、既得権にがんじがらめで、こんなに時間が掛かる政府と国会自体がおかしいと思うことから、始めなくてはなりません。我が国の政府も相当な重病です。
 前回は南アフリカのワールドカップでPKを外した駒野選手と今野選手を取り違えて、メールしてしまいました。つい、アドレナリン過剰で不正確な知識に基づき連想で記述してしまいました。ここに慎んで訂正いたします。どうぞご容赦願います。
 今週もどうぞお元気で。