日本の女子バレーは初戦逆転勝ちから、3試合連続で勝ち続けています。長身の外国人選手にも力負けせずに、ばしばし得点を重ねている姿は心強いですね。今後、対戦する上位チームにも何とか食らい付いて行って欲しいと祈っております。しかし、応援にエグザイルは必要なのか?客を動員してなんぼの興業かも知れませんが、本当にチームが強くなればもう要らないのでは?それとも、終わって見れば、羊頭狗肉でまだ我が国の女子バレーは、ミュンヘンオリンピックの栄光には到達できていないのでしょうか?ちょっと不思議な気持ちです。
 さて、バイオです。
 「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」の全部改正(平成22年厚生労働省告示第380号)が、2010年11月1日の官報に掲載されました。新指針の施行も、平成22年11月1日の同日施行となります。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/iryousaisei.html
 これでiPS細胞やヒトES細胞(ヒト胚の臨床利用に関する基準制定後解禁)の臨床研究にやっと我が国でもゴーサインが出ました。実際の改定案は7月3日に決定していましたが、施行が11月1日となり、米Geron社のヒトES細胞由来のオリゴデンドロサイト前駆細胞の臨床試験が始まった後での施行になったのが、妙に口惜しい感じです。我が国の事務手続きの遅さは、旧ソ連並みですね。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/4205/
 新聞では、我が国でも世界で初めてiPS細胞の臨床研究指針が出来たというニュースやGeron社の臨床試験開始を受けて「iPS細胞偏重の支援を正せ」という報道がなされました。
 しかし、私は日本以外の他の国がヒト幹細胞の臨床研究指針を作るかどうか、疑問に思っています。我が国の指針は、臨床研究が文科省の担当、臨床試験が厚労省の研究と股裂き状態になっているために、こんなまだるっこしい二重指針が必要となっている構造的な欠陥があるためです。多分、作成しても従来の再生医療の安全性確保のガイダンスの延長戦上にある指針か、ポイントツーコンシダーになるのではないでしょうか?
 また、iPS細胞偏重のという議論ももう古いのではないでしょうか?このメールでも何回も論じておりますが、樹立の際は余剰胚を破壊する倫理問題があるので規制は必要ですが、樹立後のヒトES細胞やヒトiPS細胞をとりわけ区別して取り扱う必要はないと思います。実際、皆さんが使っているHELA細胞でも、患者さんの善意で医学研究に提供された細胞です。これらの細胞とヒトES細胞やヒトiPS細胞の取り扱いを区別する理由が分かりません。いずれも病める人を治す医学研究ために、ありがたく利用させていただくべきだと思います。
 更に、もうES細胞とiPS細胞の区別もそろそろやめるべきかと、同じ万能細胞として、樹立方法が違った細胞としてひとまとめにして、研究費やプロジェクトを進めるべき時に来たと考えます。ヒトES細胞に近づけることを目標にヒトiPS細胞が研究されていること。また、万能細胞を再生医療や医薬と毒物のスクリーニングに提供するためには、どちらの方法でも良い細胞が出来れば良いとプラクティカルに考えるべきだと思うためです。
 科学という言葉は明治時代に日本で造られた訳語ですが、学問を分けるという意味です。しかし、学問の進展によって、新しい概念は統合へと向かいます。そろそろiPS細胞とES細胞の小さな違いを比較する学問から、万能細胞として統合化する時期が来たと思います。
 異例のスピードで京都大学に附置研究所として、iPS細胞研究所が今年5月にできたばかりですが、そろそろ改名を考えるべきかも知れません。Center for Puluripotent Cell Reserch and Application (CPRA)などはどうでしょうか?グーグルで検索してみると、 実演家著作隣接権センター(CPRA)が見つかりました。どうもうまく行きません。
 しかし、いずれにせよヒトES細胞だ、ヒトiPS細胞だ、ヒト成人性幹細胞だといった不毛な争いはほどほどにして、再生医療や創薬・安全性研究への応用へと前向きに進めるべきでしょう。
 皆さんは、どうぞ今週もお元気で。