昨夜の全米オープン選手権で、昨年の覇者クライシュテルスが絶好調でした。スランプから復活したイワノビッチがつけいる隙もなく、1時間で片づけました。クライシュテルスの守備力と頭脳がイワノビッチを翻弄しました。一昨日も、新鋭クビトバが開始早々3ゲームを先取したものの、その後は12ゲームを連取して、あっと言う間に試合を終えました。相手を観察し、弱点を徹底的に攻める非情さと、一児の母で、トーナメントプロで最も優しい性格との評判とが、どう整合性を取れるのか、首をひねるばかりです。もっとも、クライシュテルスを応援する気持ちは変わりませんが。
 さて、皆さんはもうお申し込みいただけましたか?まだ、かろうじて席を用意できます。ヒトES細胞/ヒトiPS細胞の創薬や安全性研究に的を絞り、実用化の現状と課題を、先端研究者、製薬企業、行政、そして許認可機関を一堂に会して、議論するBTJプロフェッショナルセミナーを、9月14日の午後、東京品川で開催いたします。どうぞ下記より奮ってお申し込み願います。今なら、間に合います。
 皆さんの参加と発言を、心から期待しています。
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 先週の金曜日に、シンガポール政府の記者レセプションがありました。シンガポールもリーマンショックで、2009年はGDPがマイナス成長に陥りましたが、2010年に13-15%成長に急回復する見込みです。シンガポール経済開発庁の担当者は、地球規模の不況が比較的短期に終焉!!したこともあり、幸運だったと言っていますが、まだデフレが止まらず、異常な円高による国内空洞化で雇用不安が膨れあがっている日本では考えられない楽観です。
 リーマンショックに対応するために、シンガポール政府が打った施策は2つ。従業員に課している強制貯蓄の企業負担分の支援と企業に対して従業員の再教育に対する補助金の提供でした。失業してしまった人にも再教育の機会を提供しました。今まで、前政権が蓄積した国家財政の黒字(日本で言う霞が関の金脈)を現政権が流用することはご法度でしたが、100年の一度の危機にこれを解禁、雇用確保に惜しみなく投入しました。その結果が、今年のGDPの急回復と次の成長産業の種まきにつながりました。
 菅首相ではありませんが、雇用の確保は重要です。雇用が失われると購買力が縮小して、経済が縮小するデススパイラルに陥ることと、未来の成長を担う人材を失うと言うのが理由です。雇用不安は社会から明るさを奪い去ってしまいます。シンガポールと比べて、菅首相の議論に欠けているのが、雇用喪失が技術突破を起こす基盤を失うという危機感です。ただ、補助金で事実上の失業者を企業に押し込んでも、国家財政を傾けるだけ。むしろ、シンガポールのように、不況を次の成長産業への構造改革へと結び付ける視点が不可欠です。危機に投入した国家支援はやがて、新しい産業成長に結びつき、税収として回収する正しいスパイラルを目指さなくてはなりません。民主党政権に根づく、分捕り主義だけでは、国家を運営できないことは明白です。むしろ、不況による雇用不安を次の成長産業への人材供給へと転換しなくてはなりません。
 そこで問題となるのは、次の成長産業とは何なのか?現政権はイメージできているのか?という問題です。グリーンイノベーション、ライフイノベーションという空疎な言葉を繰り返しても、国民にはどういう風に国が成長し、世界市場で貢献するのか?
イメージを把握できません。
 一番重要な問いは?製造業を日本に残すのか?知的産業とサービス産業に集中するのか?
 私の考えは、両方を目指すこと。但し、今までのように、世界のどこでも製造できる製品を誰よりも安く、早く提供するだけの製造業は不要です。むしろ、そうした価値のない製造業を残すことは、この国の成長を阻害すると思います。先週の土曜日に、北陸のクラスターの発表会を取材しましたが、北陸3県には世界市場の7割以上を握る企業が100社近く存在しています。驚いたことにF1のタイヤのドラムを北陸企業が独占供給しています。また、北陸の紡績企業が、人工衛星の太陽電池を製造していますが、そこに伝統のメリヤス編みの技術が活かされていました。こうした競争力のある企業が提供しているのは、その企業なくては提供できない価値であります。物づくりより、価値創りこそ、我が国が目指す国の姿です。これを実現するためには、ノウハウ(匠の技法)の継承か、あるいは科学技術による知財の開発が必要です。この2つの方向で人材を活用・開発すれば、我が国にも再び明るい未来が訪れるのではないでしょうか?
 実際、シンガポールもGDPの25%は製造業が占めています。かつてのブッシュ元大統領の時代の米国のように製造業の空洞化を招く愚は犯していません。製造業の雇用の確保と質の向上こそ、次のイノベーションの基盤であると、明言していたのが鮮明でした。
 我が国は今雇用という面でも亡国寸前にあると考えています。文部科学省が9月5日に学校基本調査を発表しました。2010年3月末の段階で大卒の就職率は60.8%と、前年比7.6%減の過去最大の下げ幅となりました。この数字には大学院修士進学率の増加、1.2%を含んでいません。もし、仮りにこの増加が就職待機組であると考えれば、大卒者の59.6%しか、就職先がなかったことになります。しかも、就職者の中に期限付き雇用も算入されていることも深刻さに輪をかけます。
 失業に悩む米国では、新規企業設立が増加しています。失業が新しい産業の土壌を生んでいるのですが、我が国では新規企業設立は逆に落ち込んでいます。我が国の金融機関や市場が企業設立を促す信用創造力を失っている証拠です。こうした新規創業の落ち込みも雇用問題を悪化させる原因です。産業革新機構もまったく機能していない現状では、そろそろ民間の資金を中核とした、ベンチャーキャピタルの創出が喫緊の課題になってきました。毎週、バイオベンチャーの清算のニュースを聞くにつれ、我が国の国税で開発された知財がはげたかファンドなどに買い集められ、国外流出する危険性も増加しています。
 9月14日までは脳死状態でしょうが、それ以降、攻めの雇用対策と円高対策は一秒の遅滞もなく、立案・実行されるべきであると、確信しています。
 一方で天は自ら助くるものを助ける、ということも重要です。
 9月29日から10月1日まだ、パシフィコ横浜で開催されるBioJapan2010では、皆さんのシーズやアイデアを求めるビッグファーマやベンチャー企業、そして投資家達が、日米欧そしてアジアから大集合いたします。我が国のベンチャーのみならず、大学や公的研究機関の研究者、ライセンス担当者の方も是非ともまず、我が国最大の"バイオお見合い"システム、ビジネスパートナリングシステムにご登録願います。
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東京は頭が焦げるほどの暑さです。日差しが痛い。現在、新幹線でさらに灼熱の大阪に移動中です。もうどうにでもなれいという感じですな。
皆さんは、くれぐれもご自愛願います。