現在、イスタンブールに滞在中です。ボスポラス海峡は霞んでおりますが、眼下に船が何艘も、黒海に向かって航行中です。ここがかってヨーロッパの中心であり、再び黒海交易の勃興により、新たな経済発展の胎動を示している理由が良く分かります。アジアとヨーロッパのまさに境目。イスラエルでもつくづく実感いたしましたが、今や国境を越えて人々が移動し、激しい文化や才能の混合が起こっています。
 アジアだ、ヨーロッパだなんて言っている状況ではないのです。しかし、こうした地球文明の波動から、日本は何故か鎖国しています。イスラエル政府は政府間交渉を続け、2国間の産業協力協定を結んでいます。既に欧州に加え、BRICS諸国などとも協定を締結していますが、「日本だけはまだ協定が結べない」とイスラエルMATIMOPの担当者が嘆いていました。また、欧米のICT企業に加え、韓国Samsung社や最近では中国Haier社まで工場や研究開発センターを進出させています。私のパソコンを駆動させているCPUもイスラエルのHaifaで設計されたものです。しかし、日本のICT企業の存在感は、イスラエルではまったくゼロであります。
 鎖国はかつては江戸幕府永続のためだったのですが、今は一体何のために鎖国をしているのかわからない?製造業資本主義で、ジャパン・アズ・ナンバー・ワンと持ち上げられたノスタルジーか?それとも我が国が160年かけて築き上げてきた既得権を守るためか?江戸幕府より悪いのは開国を決断する責任者が見えないことです。誰が悪者という訳でなく、日本人全体が精神的に鎖国しているのが問題です。勿論、既得権を排除し、自由競争を導入する改革は、参議院選挙で例え傷だらけになったにせよ民主党政権が第一に行わなくてはならないのですが、組合などの既得権にこの政党も絡め取られています。そこをばっさりと整理せず、消費税を議論したことに国民の怒りが参議院選で爆発したと思います。消費税を上げることを言ったことだけが問題ではないと考えております。
 民主党政権も、もう不評には慣れたでしょうから、この際思い切って、我が国と国民を開国する政策を打ち出し、連立を組むか、民意を問う手もあるのではないでしょうか?衆参ねじれ状態が続いては、日本はストップしてしまいます。このままではずるずるデフレを続けざるを得ない最悪の状態です。
 「Start-Up Nation」。リーマンショック後、最速で立ち上がり、尚急速に成長しつつあるイスラエル経済を記述した本です。リーマンショックの前に、経済の民営化を推し進めたイスラエル政府の賢さを学ぶべきです。そして若者にある危機感と起業家精神、誰もが失敗を恐れないやり直しの効く社会を我が国にも創り上げなくてはなりません。
 「おばあさんはアウシュビッツに収容されていた」と愕然とするような話も今回の取材で、少し打ち解けると聞くこともありました。できれば危機感が民族的緊張からではなく、未来に対する渇望から生じさせることを希望しています。鎖国に対する我が国の国民の受容は、一見幸せな状況から由来しておりますが、急速な少子高齢化、製造業の衰退、教育の荒廃、国際的な資源と食糧の値上がり、中進国との競争など、我が国のふやけた幸せを吹き飛ばしてしまう変化が押し寄せていることに気づかなくてはなりません。未来は安泰ではないのです。
 時はそれほど残されている訳ではありません。
 
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 どうぞ、今週もお元気で。