本日は、サッカーのナショナルチームの発表が予定されており、そわそわしております。南アフリカのワールドカップに送り出すチームの顔ぶれは一体どうなるのか?気になるところです。今でも監督を変えろという声があるチームですので、期待はまったくできませんが、恥ずかしくない戦いだけはしていただきたい。それにしても、オシム監督の病気さえなければ、日本のチームは"NIPPON STYLE"で世界に衝撃を与えた可能性があり、本当に惜しかった。指導者のビジョン次第で、世界は変わります。
 VW。これは自動車のことではなく、「Vision とhard Work」という標語で、京都大学iPS細胞研究所長の山中教授の座右の銘でもあります。本当はVHでも良いはずですが、講演上手の山中先生によるひとひねりですね。
 京都大学の第14番目の附置研究所として、5月8日、iPS細胞研究所が開所、披露されました。私も馳せ参じましたが、開所式の見学や祝賀会に患者さんと政治家の姿が目に付きました。今まで、大学の施設の祝賀会などで、票と力を誇示するために参加した地元の政治家を見ることは多々ありましたが、医学系の研究所でもこれだけ多くの患者団体が参加した祝賀会は誠に珍しい。
 センターから研究所に昇格したにも関わらず、英文名は従来通り、Center for iPS Cell Research and Application(CiRA)を維持しており、ここにも山中教授の頑固さがほの見えています。私もCiRAの名前は気に入っています。最後のAのApplicationに拘る山中教授のVisionが現れているためです。祝賀会に多数の患者さんがご出席なすったのも、iPS細胞研究の成果を患者さんに還元するという強い意志と、それを歓迎する患者さん達に好意の表れであると思います。
 ひょっとしたら日本の医学研究に今まで決定的に欠けていた患者さんの医学研究への直接参画する本格的な技術突破がiPS細胞で実現できる可能性を期待させる祝賀会でした。新しい日本が始まったのかも知れません。
 本来なら世紀の発明である初期化だけでもうノーベル賞は充分。初期化のメカニズムの追求を行い、論文発表を続けながら、長生きすれば良いという戦略を取っても誰も非難しない状況なのに、山中先生は真っ向から勝負し続けようとしています。本気でiPS細胞を創薬に結び付けたり、再生医療の開発につなげるべく、新研究所でも取り組んでいます。びっくりしたのはスクリーニングロボットを活用し、iPS細胞で開発した疾患モデル細胞を対象に新薬候補のスクリーニングを始めていました。勿論、背景には低分子化合物で、初期化する研究開発が一段落(これには後塵を拝しました)した結果、ロボットを転用することが可能になったという事情はありますが、それでも基礎研究に断じて甘んじないという山中先生の意欲が現れています。
 山中先生の本業である初期化研究も、iPS細胞やそれから分化誘導した細胞を医療に応用するために必須な標準化を追求することを目的としています。基礎と応用の区別など、ここではまったく意味をなしません。患者さんを治したいという強いモチベーションに支えられた基礎研究を実現する環境こそが新設なったiPS細胞研究所であって欲しいと心から願っております。
 ヒトiPS細胞が樹立されてからわずか、2年半で所員200人以上の5階建て1万へーほーメートル以上の研究所が実現しました。文科省もやれば出来るではないですか? 皆さんも是非とも、こうした科学の夢を現実にする本質的な技術突破を目指していただきたい。日夜、教科書が書き換えられている今のバイオの状況を考えると、こは誰でも可能なはずです。後はVWと自分を信じる良い意味の頑固さと運であると思います。どうぞご奮闘願います。
 ところで、どうやら日本人で最初の全ゲノム解析データが近く我が国の研究者によって発表される見込みです。中国と韓国の後塵を拝しましたが、今や人間のヒトゲノム解読はルーチン作業になりつつあるのです。こうした研究の一端も、6月11日午後に、品川で開催する次世代シーケンサーのセミナーでも発表される見込みです。新しい技術革新のチャンスをつかむためにも、時間を確保願います。私の取材では年内に5人以上の日本人の全ゲノム解析が公表されます。疾患関連遺伝子やバイオマーカーの研究開発は次世代に進んだと確信しています。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2007/0698/
 今回のセミナーでは疾患探索遺伝子の次世代の探索研究の議論も行います。どうぞ下記のサイトからお早目にお申し込み願います。品川でお会いいたしましょう。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/seminar/100611/ 
 6月16日の標的医薬のセミナーの応募も開始いたしました。こちらもどうぞよろしく願います。 
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/seminar/100616/ 
 皆さん、今週もお元気で。