東京ではもう八重桜が芽吹き始めました。小学校の頃、ザリガニを釣った清水谷公園の桜並木も一分咲きです。まだ、ソメイヨシノも散っていないのに、八重桜を愛でることができるとは。今年の春はまったく異常です。世の変わり目なのかもしれません。
 さて、変わり目といえば、DNAシーケンサーもいよいよ第三世代の実用化が迫ってまいりました。米Pacific Biotechnology社や米Applied Biosystems社、そして米Illumina社も、第三世代DNAシーケンサーを今年から来年にかけて発売する見込みです。
 ゲノム解析に大幅な時間短縮と価格崩壊を起こした、第二世代に比べて、第三世代は現状では必ずしもさらにスループットが増大するという訳ではありません。第三世代は1分子DNAシーケンスを可能としたことに意味があります。ゲノム解析の質的な革命が起ころうとしているのです。
 第二世代までには、シーケンスをするDNAをPCRで増幅する必要がありました。そのため、PCRによるバイアスがどうしても解析結果に影響してしまいます。極端にいえば PCRで増幅できないDNAはゲノム解析することができません。また、PCRが増幅し難い DNAも解析が困難になるという問題がありました。
 これに比べて、第三世代ではPCRで増幅する必要がないため、DNAのゲノム情報を穴なく解析できる強みがあります。ゲノム情報の質的な変化が起こるのではないかと考えています。今までのシーケンス技術では解析不可能であったゲノム構造が明らかにできるのではないか?と大いに期待しています。科学ではいつも起こることですが、観察手段が変わった瞬間に今まで信じられていた世界とはまったく違う生命像や世界観が誕生することがあります。今回も、名前は同じDNAシーケンサーですが、光学顕微鏡と電子顕微鏡の差と同程度のインパクトを生じる可能性があります。特にde novo (今までシーケンスされていない新規DNA解析)シーケンスなどには、相当な威力を発揮しそうです。
 ただし、第三世代が出たから第二世代は必要ないというのは全くの誤り。第二世代のスループットは捨てがたく、リシーケンスには不可欠です。また、転写解析やエピジェネティックスなど新しいアプリケーションも第二世代ではどんどん拡大しつつあります。結局、光学顕微鏡も電子顕微鏡を共に必要であることとまったく同じで、第二世代と第三世代は共に必要で、共存する装置となると確信しています。
 どうぞ皆さん、6月11日の午後、品川で現在、次世代シーケンサーのセミナーを開催いたします。新しい技術革新のチャンスをつかむためにも、時間を確保願います。
応募開始はまたこのメールでお知らせいたします。
 皆さん、お花見で風邪をひかぬよう。 今週もお元気で。