まだ100日と思うか?
 もう100日と考えるのか?
 新政権の政策はよろよろしつつも、新しい風を吹かせようと努力しています。2010年度の政府予算案には、政治主導のメリハリがあちらこちらで散見できます。
 一番、驚いたのが、厚労省の2010年度予算でした。厚労省が11月にまとめた予算要求では、75億円と2009年度予算実績から25億円も減額した難治性疾患克服研究経費が、財務省査定で100億円までに増額されたのです。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/7879/
 通常は、財務省査定で要求額は削減されるのですが、難治性疾患克服研究経費は空前絶後に近い、政府予算案での前年度同額予算確保となりました。難治性疾患で悩んでいる患者には朗報であることは間違いありませんが、素直に喜べない裏事情もあります。
 実は、08年度予算では難治性疾患克服研究経費に相当する予算は25億円でした。B型肝炎訴訟や薬害C型肝炎訴訟の国の敗訴を受けた自民党政権の舛添元厚労大臣が、09年度予算で難治性疾患克服研究経費を一挙に4倍増したのです。難治性疾患の研究者はそんなに多数我が国に存在しないので、09年度の予算を消化するために、厚労省は追加募集を余儀なくされました。
 こうした事情から、厚労省は25億円減額を要求したのですが、民主党政権もマニ
フェストで難治性肝炎対策を取り上げているため、財務省の査定では逆に加増される
という前代未聞の結果を生みました。
 確かに、これはある政治的な決意を示す方法であることは認めますが、まず行うべきは、質の高い難治性疾患の研究を持続的に遂行するための基盤作りです。中でも若手研究者育成には腐心しなくてはなりません。こうした基盤を欠く、ばらまき予算では、難治性疾患という名前の下に、他の研究への転用などの無駄遣いが行われる可能性は否定できないでしょう。
 本来なら、難治性疾患対策を進めるためには、政治的・発作的な予算ではなく、10年以上の長期研究支援を可能とする基金を検討すべきではないかと考えています。
 今週もお元気で。