現在、品川港南口のコクヨホールで開催中のBTJプロフェッショナルセミナーの会場におります。おかげさまで、会場は満員、わが国の宝ともいえるiPS細胞を第二段階に進めようという熱気で溢れております。今年の春の段階でヒトiPS細胞細胞を樹立する方法の研究は頂点を迎え、今や樹立したiPS細胞をどう活用するかという第二段階に入ったと考えております。今までのように発生分化学者だけでなく、新段階では、毒性学者や医学者、規制科学者、エンジニア、企業関係者、行政関係者などの広範な参画が必要です。このセミナーの様子は、今週発行する個の医療メールでお伝えいたします。まだ、受信されていない読者はどうぞ下記よりご登録ください。今なら間に合います。
http://passport.nikkeibp.co.jp/bizmail/p-med/index.html
 土曜の夜はとうとう日曜の4時まで起きていました。
 「のだめカンタービレ」の特別番組を見るべきか?TOYOTAプレゼンツFIFAクラブワールドカップUAE 2009を見るか悩みながら、結局、ドバイで行われた決勝戦まで見る羽目に陥った読者もきっと多いに違いありません。
 バルセロナが世界一に輝きましたが、前半は完全にアルゼンチンのエストゥディアンテスが支配、1点リードで迎えた後半も最後残り1分で、バルセロナが同点に追いつき、延長戦で天才メッシがダイビィングヘッドならぬ、ダイビィング胸でゴールに押し込み、悲願の世界制覇を実現しました。この展開ではとうてい眠れないことはご理解いただけたと思います。しかし、今のメッシは誰も止められない。身長が伸びない障害を持つ選手が、世界最優秀選手へと上り詰めた苦労はとても想像できません。南アワールドカップ予選で「メッシなんかいらない」とバッシングしたアルゼンチンの新聞各紙も、昨日の見出しには「天才メッシにやられた」と書かざるを得ない苦境に立っているでしょう。
 さて、バイオです。
 昨日の読売新聞で、知的クラスターや都市エリア産学連携事業などを支援していた地域科学技術振興施策が2010年度の予算計上されず廃止と仕分けの判定通りとなったとの記事が出ていました。今回の決定で、来年度から1000人以上の雇用が失われる大変な事態が生じます。もれ聞こえた噂では別の予算で何とか1年分の人件費を確保、再就職を可能とする余裕は確保した模様ですが。
 但し、地域を創造的な科学技術によって振興するという今の知識資本主義に対応した産業振興策に大いなる遅滞が生じることは間違いありません。
 民主党の事業仕分けに関しては以前にもメールで申しましたが、立国イメージが極めて古い。つまり重厚長大産業、製造業に基づいた立国モデルで成長した国の経験を捨てられない財務省の言いなりになっているという問題です。今回の地域科学技術振興策の重要性を理解することができなかった。
 確かに地域の産業振興は経産省がやればよいという事業仕分けの論理は説得力がありますが、現在の産業振興が科学振興と表裏一体となっていることを分かった上での判断ではありません。今回の事業仕分けは、単なる会計項目に応じた矛盾を指摘しているだけで、その事業の本質を判断できる能力がなかったと思います。
 文部省や経産省といった支出者の仕分けではなく、問題解決型に予算編成を改革しなくては、この国は浮上できない。2010年はもうしょうがないので、2011年、新たな成長モデルに基づいた予算編成の時には、各省庁とも連携して、地域産業を支援してどうやって雇用を確保するのかといった問題解決をする予算要求を実現していただきたい。
 こうした予算要求なら仕分け人でも理解できると考えます。
 もう一歩、思考を進めると地域の産業振興を可能にするためには、そもそも経産省や文科省という枠組み自体が問題を孕んでいる可能性があるのです。こうしたことを克服するためには、是非とも国会で地域産業振興法案を成立させ、その中で両省にプログラムを立案し、予算立案(投資額も盛り込むべきです)する義務を与えるべきです。
 新政権では政府と国会の機能分化が見えないというか?どうしてよいかうろうろしています。地域産業・科学技術振興策こそ、新たな国会の仕事としては極めて重要な先駆的事業となります。
 事業仕分けで地域の志の高い人材をがっかりさせた償いを新政権は真剣に、早急に検討しなくてはなりません。
 今年の最後のメールをこんな暗い話題で締めくくるのが残念ですが、是非とも来年も、皆さんが良き年をお迎えになることを祈念しております。
 今年1年、お世話になりました。