まずは皆さんにサプライズです。
 バイオジャパン2009に、民主党の有力議員が参加、新政権におけるバイオや生命科学、そして医療をどうするのか?白熱のパネルディスカッションを行うことが決定しました。
 政権交代は読んでいたのですが、シンポジウムのプログラムの印刷の締め切りの制約で、「サプライズ企画」としてしか、パンフレットやウェブ上で表示できない、歯がゆさでした。
 これで政権交代がなかったら、本当に泡沫企画に終わるところでした。
 幸い、民主党の有力議員のご賛同も得られましたので、多分、バイオ分野では新政権が何をしようとしているのか?初めて公開で議論する場となると思います。どうぞ下記より、お申し込み願います。10月9日の午後2時半から4時半までです。今なら席を確保できると思いますが、実はこれは大人気なので、お急ぎいただく必要があります。
http://expo.nikkeibp.co.jp/biojapan/regist/index.html#seminar
10月7日から9日までパシフィコ横浜で開催されるバイオジャパン2009のセミナー参加申し込みを受け付け中です。サプライズ企画以外も総て無料でご参加いただけます。但し、席には限りがあり、いずれも早い者勝ちです。今回は展示会場の真上にセミナー会場を設定いたしました。無駄な時間なく、最先端のバイオをご堪能いただけます。
http://expo.nikkeibp.co.jp/biojapan/regist/index.html#seminar
 さて全米オープンはいよいよベストフォーが決まりつつあります。
 シャラポアも杉山も瀬間もアザレンカも敗退した今となっては、焦点は結婚・出産から復帰したキム・クライシュテルスと、デンマークのウォズニアッキ、そして彗星のようにデビュー、上位シードを打破し続けているオーディンの誰が、相変わらず筋肉と運動能力の塊のようなセレナ・ウイリアムズを打破するかに絞られてきました。今週でテニスシーズンも終わりです。
 何事にも終わりがありますね。バイオによって固形がんの治療まで可能となった新規抗がん剤開発ブームもワクチンや遺伝子治療を除き峠を越しつつあります。ポストがんの大目玉であるアルツハイマー病の個の医療に大きな成果が誕生しました。
 アルツハイマー病というと、患者の脳内に蓄積するβアミロイドの蓄積が原因であるという説が有名です。しかし、確かに遺伝性で早期に発症する家族性アルツハイマー病はこれで説明できますが、全アルツハイマー病患者の2%程度に過ぎません。
 多分、アルツハイマー病は多様な原因によって生じる症候群であることは間違いないのですが、APO-E4など脂質代謝や循環器病関連の疾患遺伝子とβアミロイド仮説以外になかなか有力な疾患原因が見つからないのが現状です。
 より多くのアルツハイマー病患者さんの治療や予防を行うためには、もっと多数のアルツハイマー病に関連する遺伝子やたんぱく質を見つけなくてはならないのです。発症に65年以上かかる後発性アルツハイマー病が一般的なアルツハイマー病ですが、これだけ発症に長期間必要ということは、多数の病因が累積的に重なって発症する可能性が高いのではないでしょうか?
 したがって、アルツハイマー病に関連する疾患遺伝子やそのパスウェイはどんどん究明する必要があります。しかし、これが難しい。患者500人、正常人500人の全ゲノム上にあるSNPsを比較するような小規模のGWAS(ゲノム全域にわたって疾患と連鎖する遺伝子変異を解析する研究)ではなかなかアルツハイマー病のリスクを増大させるSNPsや遺伝変異を見つけることが出来なかったからです。こうした研究結果を見ると、アルツハイマー病を引き起こす疾患遺伝子が仮にあったとしても、1つ1つの遺伝子のリスクはそんなに大きくないのではないかと推定さざるを得ません。
 そのため今まで発見されたアルツハイマーの原因遺伝子は、APO-E4を唯一の例外として、βアミロイド前駆体遺伝子、プレセレニン1と2遺伝子は、いずれも家族性アルツハイマー患者の家系分析で突き止められたものです。
 今週、この壁を英Cardiff大学を中心とした国際的な研究グループが突破しました。何とアルツハイマー病患者と正常患者、併せて1万6000人という大規模な集団を対象にGWASを行い、合計15種のアルツハイマー病患者に頻度が多い遺伝子変異を同定しました。ここまで大規模集団を対象にすれば、低リスクの疾患関連遺伝子も発見できるという証明となりました。この背景にはSNPs解析の急激なコスト低下もあります。
 今後は15種の遺伝子の機能解析とパスウェイ解析によって、βアミロイド仮説に加えて、新しいアルツハイマーの病因仮説が提唱されることを期待したいと思います。これが提唱されれば、次世代のアルツハイマー病の画期的な新薬や診断薬の開発も新たな仕切りなおしとなるはずです。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/5259/
 これから高山で開催される日本糖質学会の取材です。
 皆さんも、どうぞお元気で。バイオジャパン、どうぞ宜しく願います。