とうとう政権交代が実現しました。
 バイオプロジェクトもこうした政権交代の波を浴びることになります。30人に5年間で2700億円も研究費を与えて、世界と競合できる創造的な研究開発を支援する最先端研究開発プロジェクトもその波をもろに被り、本来ならば本日までに栄えある30人が発表される予定でしたが、民主党による政権交代により、首相が議長を行う総合科学技術会議が開催の予定が立たず、9月中旬の特別国会による民主党政権誕生まで引き伸ばされる可能性があります。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/5025/
 民主党が官僚の予算隠しであると嫌い、補正予算見直しの標的となっている外郭団体に基金を設置するプロジェクトであるためもあり、また正式な国会の議論をそもそも先端科学技術支援プログラムは経ていないという民主党議員もおり、このプロジェクトそのものの存続も見えなくなっています。
 7月に内閣府に565件も申請書が送付されています。この努力が水泡に帰するかも知れません。元々、最先端技術開発支援プロジェクトは、国際的な研究開発をうたいながら不況対策でもあるため、2-3年で成果を出せという矛盾に満ちたプログラムであります。見直しをした方が良いのではないでしょうか?
 まずは民主党政権がどんな国を創るのかをもっと鮮明に打ち出し、そのミッションを実現する最先端研究を支援するのが筋でしょう。製造業に過度に依存した結果、先進諸国で唯一この10年間低成長にあえいでいる日本を変えなくてはなりません。
 知識資本主義、知識産業へと本格的に大きく転換しなくてはならないのです。大学など高等教育のあり方に加え、初等中等教育でもう前に倣えはやめ、創造的なアントレプレナーを育成しなくてはなりません。
 加えて、リスクマネーの供給不全となっている金融システム、新興市場、税制などの包括的な改正も必要です。さらに再挑戦が可能なように、年金や健康保険の一本化も重要な課題です。
 とにかくずーっと言われるままに同じ会社にすがりついていれば有利になるようなシステムを壊し、リスクをとって技術革新をする人材が活躍できる環境を整えなくてはなりません。
 どちらかというと大きな政府である民主党がどこまでこの改革ができるか疑問ですが、毎年2200億円、5年間で1兆1000億円も削った社会保障費を増額する政策は、瀕死の医療を救い、医薬や医療機器産業を復活させる可能性があります。但し、これも社会主義者が大好きな供給量の増大だけでは失敗する可能性があります。医療費の直接補助により、医療消費者が直接、望む医療を購入できる市場原理を導入しなくてはなりません。厚労省の役人が霞ヶ関で医療の価格を決定する仕組みを壊さなくては、国民皆保険と民の満足、そして医療の技術革新の3つを満足させることはできません。その意味で、農家への直接所得保障を公約している民主党には期待したい。医療の供給側の調節ではなく、購買力の増大を目指すべきだと思います。
 さて、昨夜1時、鳩山由紀夫民主党代表の記者会見が開かれました。「我が国の得意なバイオやナノテクノロジー、ITなどの先端技術を支援する」と鳩山代表は明言しています。皆さんの知恵を新政権に寄せて、バイオ産業の復活を図りましょう。
 秋の涼風が吹く10月には、バイオジャパンの季節がやってまいります。
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 今週もお元気で。