ジャパンティシュエンジニアリングが我が国で二番目の再生医療の商品化となる、培養軟骨細胞の製造承認申請をしたと、09年8月24日に発表しました。高齢化社会を迎える我が国にとってこの再生医療は極めて重要です。迅速・加速審査の対象にすべきであると私は思っております。厚労省の担当者にも是非、汗をかいていただきたい。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/4840/
 さて、現在、満席の747-400に乗って札幌に向っております。
 よくもこんなに大勢の人が乗るなと思うほど。搭乗口の前のロビーは、家族連れ、大学生などでごった返しています。少数のビジネス客は呆れ果てて、遠く霞む列の末尾にも加わらず、カウンターの前で途法に暮れています。私も当然この組で、ほとんど搭乗者全員を送迎するはめになりました。
 まさに夏の終わり、仕事の始まりです。
 秋の涼風が吹く10月には、バイオジャパンの季節がやってまいります。
武田薬品工業、アステラス製薬、第一三共、エーザイ、田辺三菱製薬、中外製薬、協和発酵キリン、塩野義製薬、メルク万有、ロシュファーマ、ノバルティスファーマ、サノフィ・アベンティス、ヤンセンファーマ、サンド、ジェンザイム、ジョンソンエンドジョンソン、テルモ、日本メドトロニック、GEヘルスケア バイオサイエンス、ウシオ電機、カネカ、サントリー、味の素、日本たばこ、サッポロビール、花王、タカラバイオ、旭硝子、デュポン、東レなど30社以上が出展を決定、皆さんをお待ちしております。
 今週から上記の企業が一体、皆さんに何を望んでいるのか?どんな技術導入や共同研究の機会を待ち望んでいるのか?私が直に聞いて、お伝えするインタビュー記事をBiotechnology Japanで掲載します。掲載、1週間後には全文無料でお読みいただけます。じっくり読んで、バイオジャパン2009のマッチングソフト(無料、下記から登録をお急ぎ願います)を、フルに活用して、アポイントを申しこんでください。
http://expo.nikkeibp.co.jp/biojapan/
 縦割りで国際的成長力を失った我が国のバイオに、オープンイノベーションで活を入れましょう。新しい出会いにこそ、技術革新の種が埋まっています。
 加えて世界30カ国以上、我が国の全バイオクラスター、そして我が国のバイオの研究開発を推進する、理研、産総研、東京工業大学、慶応大学など有力大学、さらに国内外のバイオベンチャー600社以上が参加します。参加企業数ば急速に増加中です。医薬、診断薬、医療機器、創薬支援技術、機能性食品、環境・エネルギー分野の技術シーズや共同研究の導入を是非、ここで実現願います。
 昨年は850件以上の面談を実現、今年は倍増したいと考えております。そのために効率の良い、マッチングソフトも完成、確実なアポイントの交渉を可能としました。しかも、今年は無料で無制限に活用できます。まだ、登録数が少ないうちに登録すれば、相手先からアポイントの声がかかる確率も高くなります。どうぞ下記よりご登録願います。今からメールで横浜でのアポイントを取ることも可能です。
https://exponet.nikkeibp.co.jp/match2009/?action_login_input=true
 マッチングソフトの使用法は下記をご参照願います(少し重い)。
https://exponet.nikkeibp.co.jp/match2009/manual.pdf
 札幌は既に肌寒く、今宵の会食も秋の稔りを楽しみにしなくてはなりません。北大で開催されるGRF研究会という糖鎖の研究会を取材します。会場で皆さんとお会いするかも知れませんが、どうぞ宜しく願います。今後、急速に拡大するバイオジェネリック市場が、現在のバイオシミラーやフォローオンバイオロジックスという名前で、低分子の化学合成医薬品と取り扱いに一線を画さざるを得ないのも、現在の糖鎖解析技術が不十分であるためです。勿論、もう一つの理由はたんぱく質の立体構造の解析技術と制御技術にもありますが、どちらかというと糖鎖解析技術の立ち遅れの方が問題です。
http://www.gfrg.org/index.html
 糖鎖は電荷の分布を変え、さらに肝臓などの受容体を介して取り込まれるタグとなるなど、医薬品の生体内での挙動に大きく影響を及ぼします。製造方法の違いによってバイオ医薬の糖鎖構造やその糖鎖の結合した割合が変化します。医薬品として決定的な差が生まれる可能性があるのです。
 低分子のジェネリック薬が製法はどうであれ、化学的にオリジナル医薬と同じであれば、医薬品としての有効性や安全性がほぼ保証されますが、バイオ医薬ではそうはいかない。そのためにオリジナル薬と同等性を証明するための、前臨床試験や臨床試験にかなりの資源と投入しなくてはなりません。バイオシミラーやフォローオンバイオロジックス、我が国ではバイオ後続医薬といいますが、こうした特別扱いを要求されるようでは、開発するジェネリック医薬企業も当然、コストに見合う薬価と保護措置(申請データや占有期間など)を要求、価格は高止まりになります。
 現在の段階では、生活習慣病の低分子治療薬のように、特許切れによってジェネリック薬が参入し、薬価が大幅に低下することは余り望めません。米国では市場は10分の1に、我が国にはオリジナル薬の薬価の7割(但し、オリジナル薬の薬価もかなり薬価改訂毎に切り下げれています、しかも当初の販売見込みより売り上げが増大すると薬価が下がるという、とても自由主義市場とは思えない薬価決定システムです)と定められています。
 本来なら特許による独占期間が終了したら、ただちにその知財は社会に共有される、というのが特許制度の本来の目的です。こうした厳しい競争原理は、適切に運用すれば、技術革新を駆動するエンジンとなります。バイオ医薬は今までバイオ後続薬の認可が遅れていたため、特許切れとなっても、市場参入が無く、薬価は高止まり(日本は市場に無関係に下がっていました)、抗体医薬やワクチンなどが続々と商品化されるに伴い、欧米諸国の医療費の増大の原因になっていました。
 我が国が世界をリードする糖鎖解析技術によって、バイオ医薬の糖鎖構造が精密に分析でき、さらにその生物学的な活性や機能の理解が進めば、製法によらずバイオ医薬の分子的な性状のみでバイオ医薬の薬効や副作用を担保できるバイオジェネリック薬の開発が可能となると信じています。
 これによって、残念ながら第一世代(生体医薬)、第二世代(抗体医薬、ワクチン)の商業化で後塵を拝した我が国の製薬企業やバイオベンチャーに新たなビジネスチャンスが誕生すると確信しています。高品質バイオジェネリックに、我が国の製造業の強さが活かされると考えます。但し、今後10年は良いでしょうが、バイオジェネリックだけ追求しても持続可能ではありません。次の10年を目指し、革新的なバイオ医薬の研究も必要であることは言うまでもありません。
 このチャンスを大切に活かしましょう。
 お元気で。