我が国最大のバイオ展示会・シンポジウム、そしてオープンイノベーションの場であるバイオジャパン2009の来場者向けサイトが公式オープンいたしました。セミナーの申し込みはまだですが、展示会場の無料申し込みやビジネスマッチングのデータベース利用登録(無料)が可能です。どうぞ下記よりお申し込み願います。
http://expo.nikkeibp.co.jp/biojapan/
 女子バレーは東洋の魔女の時から好きでした。しかし、最近はもう世界ベスト8が良いところではないかと、初めから低姿勢でアイドル系タレントが歌って踊った後に始まる試合を見ることが通例となっていました。こんな厚化粧みたいなショウアップをしなければ観客を動員できなくなったのも、世界をリードできない実力の無さ故でした。
 しかし、昨夜のワールドグランプリ大阪大会はこうした私の思い込みを一掃、もうジャニーズ事務所の助けなしに、間違いなく体育館を満員にできる日本チームがそこに居ることを確信しました。
 何しろ、2mを超える選手もいる平均身長193cmのロシアチームのアタックを日本のナショナルチームの選手がブロックでばんばん止めるのです。こんな試合、ついぞ見たことのない爽快さです。体格が変るのに3世代は必要といわれていますが、とうとう世界水準の体格を備え、しかも世界を超えるスピードバレーを展開できるナショナルチームが女子バレーで編成できるまでになったのです。しかも次のオリンピックを狙える若さも備えています。試合後のコメントを聞く度に、天才だなと感じる、木村沙織、そしてこの試合でスタメンに初めて起用されたもう一人の天才、狩野舞が、今後このチームを引っ張っていくことは間違いないでしょう。もう、リベロやセッターが注目浴びるチームではなく、ブロックとスパイク、そしてサーブで相手を粉砕することができる新しい日本のナショナルチームが誕生したのです。次のロンドンが本当に楽しみです。
 現在、子連れの家族満載ののぞみ号で、岡山に向っています。
 東京は豪雨、正面から吹き付ける雨で、駅まで歩く間にずぶ濡れです。ここまで濡れるとかえって爽快なのは、一種の開き直りかもしれません。箱根の山を過ぎると東海地方は曇りに変りました。
 さて、バイオです。
 2009年6月に我が国でもバイオジェネリックとして組換えヒト成長ホルモン「ソマトロピン」(欧米ではOmnitropeという商品名)が初めて認可されました。3月にはバイオジェネリック(我が国ではバイオ後続薬と呼びます)を開発するためのガイドラインも厚労省が発表しました。
 2009年は我が国でのバイオジェネリック元年となりました。
 これによって特許切れ後も高止まりしていたバイオ医薬の価格降下と、バイオジェネリック登場による収益低下への対抗策として、改めてバイオ新薬開発に拍車がかかります。バイオ医薬に対しても自由競争のメカニズムが働く基盤が出来たのです。
 辛いことですが、研究開発を継続し、技術革新の連鎖を作り出すことが、皆さんに求められているのです。
 韓国政府も猛烈な勢いでバイオジェネリック振興に乗り出してきました。バイオジェネリックの実用化のガイドラインを今年制定したことに加えて、8月3日には、総額1550億ウォンを投入する景気対策事業(26のスマートプロジェクト)を発表、その中で、バイオジェネリック支援に90億ウォンを投資することを発表しました。まさに国を挙げて、バイオジェネリックを後押しする体制です。
 しかも、驚いたことにこのプロジェクトの主役は今までバイオとは殆ど関係のないサムソン電子でした。韓国のバイオベンチャー、Isu-Abxis社などと共同して、バイオジェネリック事業を立ち上げます。スマートプロジェクトは、幻に終わりそうな我が国の90億円×30人プロジェクトと同様、短期のリターンを追及する雇用対策事業でもあります。
 1-2年後には韓国のバイオジェネリックチームによる、世界のバイオジェネリック市場への参入が本格化すると考えられます。もう時既にに遅しですが、日本政府もこれぐらいのアイデアは考えつくべきでした。
 実は世界は大きくバイオジェネリックの実用化に動いています。インド、中国などのバイオ企業もバイオジェネリックに殺到している。先行する欧州では低分子のジェネリック・メーカー(ドイツ、スイス)が積極的に参入。昨年には世界最大のジェネリック薬メーカーであるイスラエルTeva社も参入、顆粒球コロニー刺激因子のバイオジェネリックの認可を欧州で獲得しました。ビッグファーマも子会社のスイスSandoz社を通じバイオジェネリックの商業化を推進するスイス・ノバルティス社に続き、とうとう08年12月に、米Merck社までが参入した。先週、万有製薬の社長が記者発表し、我が国国内でもバイオジェネリックの開発を行うと宣言しました。
 IMSの調査では、2007年にはバイオ医薬は750億ドルを売り上げ、医薬の世界市場の10%を突破しました。今後もバイオ新薬の販売数は急増、低分子医薬の2倍の成長率を見込んでいます。バイオ医薬が増加すればするほどバイオジェネリックの市場も拡大します。しかも、新薬とは比較のならない成功確率の高さは、新薬開発の頓挫に悩まされる医薬企業にとっては、低収益とは言いながら魅力的に映ります。化学合成技術とことなりバイオ技術はまだ参入障壁が高く、しかも前臨床と臨床試験がある程度要求されその分、価格や権利保護のインセンティブが期待できることも魅力です。
 さらに、オバマ大統領が今年の予算教書で、医療費抑制の切り札としてバイオジェネリックの実用化推進を宣言、今までバイオジェネリック実用化に背を向けていた米国市場が、180度変ったこともバイオジェネリック・ブームの原動力となっています。
 我が国の企業でも、お得意の工業的発酵技術を駆使して、バイオジェネリックに挑戦する企業が出てもおかしくはないと思います。但し、工場は国内に立地可能か?スイスSandoz社はオーストリアにSomatropineの製造設備を持っています。またドイツ国内でもバイオジェネリック工場が稼動していることを考えると、富山県や発酵タンクが余っている山口県、佐賀県、三重県などには可能性があるのではないでしょうか?高品質バイオジェネリックという概念は我が国の企業が打ち出しても、いずれ製造拠点を世界展開するにしろ、今なら利益を確保できるビジネスモデルではないかと思います。成長ホルモン、インスリン、G-CSF、エリスロポエチンと、第一世代のバイオ医薬のバイオジェネリックはインターフェロンαとβを除き、ほぼ出揃った感じです。
 我が国の企業が狙う高品質バイオジェネリックは抗体医薬が焦点となるのではないでしょうか?
 皆さんはもう夏休みでしょうか?
 当社も水曜日から休みですが、私はまったく休みなしにインタビューや会合の予定が入っています。私の夏休みはどこにいったのでしょうか?
 ともあれ、皆さん、夏休みを堪能願います。