早朝の便で梅雨が明けた那覇に向っています。
 深夜まで東京都議会選挙の開票を見ていたため、寝不足でげっそり。皆さんもそうではないでしょうか?
 どうやら国民は政権交代を選択したようです。いつもよりボリュウムの大きな選挙運動を自民・公明両党が繰り広げていましたが、その効果は公明党の動員も自党の議席を守るのが精一杯であり、両党の連立効果に大きな疑問が生じた結果となりました。
 民主党は第一党にはなりましたが、都議会で過半数を占める与党を形成するためには連立が不可欠です。共産党との連立か?それとも公明党との連立か?都議会での与党を最優先課題とする公明党が、与党形成に乗り、国政でも自民党との連立から距離を取らざるを得ない状況が生じる可能性があります。こうなると公明党の組織票に依存し、水ぶくれとなっていた自民党の苦戦は決定的となるでしょう。
 千葉市長選、静岡知事選、奈良市長選、そして東京都議会選挙と自民党敗戦が雪崩を打って始まりました。2009年は歴史的な転換点となると思います。
 民主党政権が誕生すれば、未執行の予算は再点検されることが必至(メールでは必死とミスタイプ、すみませんでした)であると、現在の政府部内で語られています。そのために予算執行を急ぐ向きさえあるのです。例えば、優れた研究者30人を選出し、5年間で90億円ずつ投入、総額2700億円も研究開発投資を行うプログラムなどは選考がもたもたしていると、単なる水泡に終わってしまう可能性があります。
 もっともこのプログラムなどは選考委員会の顔ぶれを見れば、いつもの如く、既得権の代表ばかり、しかも到底先端技術の先導できる知見を持っていないのではないかという委員も散見しています。この人たちが貴重な国税を真剣に、交代間際の政権のために議論するとは到底思えないのが誠に残念です。それに当然、30人に選ばれるはずのバイオ研究者に聞いてみると、予算上の制約が強そうでメリットも少ないという贅沢な不満も聞こえてきます。
 次の国立衛生研究所の所長に、ヒトゲノム計画の功労者、Francis Collins氏を指名、米国の医学研究を委ねた米Obama政権の先見性とは雲泥の差です。我が国に例えれば、国立がんセンター、国立循環器病センター、国立国際医療センター、国立感染症研究所など、厚労省の総てのナショナルセンターと文科省の医学関連研究所のトップに、既得権を一切排除してゲノム研究者を据えたのです。しかも、米国立衛生研究所の年間予算は3兆円、我が国政府の総ての研究開発予算に匹敵します。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/3850/
 こんな大胆なことを動脈硬化した現在の我が国政府はできそうにない。
 Obama大統領はゲノムやオミックスなどの先端バイオ研究の成果を、個の医療に結実させ、米国民の健康と幸福増進に還元するという国家ビジョンを人事でも明確に打ち出しました。国家のビジョンを打ち出して、国民に信を問い政権交代を勝ち取るというダイナミックな政治機構が、あらゆることが既得権の維持に費やされる官僚機構の通弊打破に働いているのです。
 20世紀から21世紀は国家のビジョンの競争です。それが真実か、それともそうなりたいという希望なのかはともかく、米国は自由と平等の国だというビジョンが、世界中から才能や資本を吸い寄せたことは事実です。個の医療という明確なビジョンが、投資と才能の移動を伴えば、やがて実現することは確実です。そしてそれは企業や技術革新の競争の市場や方向を規定します。ビジョナリーな政府を持つ国民や企業は、国際競争上でも有利となるのです。政権交代というダイナミズムを欠いた、今までの我が国は残念ながら前例通りというビジョンしか結局は形成し得ない。環境の変化に斬新策でしか対応できない国になってしまったのです。おまけに、これも歴史的な必然である長期政権下の官僚や官僚機構の腐敗も年金を見れば明白ですが、相当進んでいます。一度、官僚機構も棚卸ししなくてはならないのです。
 これから、沖縄県のベンチャー支援事業の審査会に出席します。内閣府の支援でもう5年以上も沖縄県内のベンチャー企業や県外のベンチャー企業に対して、事業化資金の供給が続いています。
 今や新興企業のための市場が低迷し、一部の例外を除き、ベンチャーキャピタルが、投資資金を回収できず塩漬け状態であるため、バイオベンチャー企業向けの資金供給がすっかり干上がってしまった状況では、この沖縄のベンチャー支援事業は投資資金の潤沢さから、まさに干天の慈雨であります。
 この資金は有効に使わなくてはなりません。
 期待の産業活性化機構も、サブプライム以降にはすっかり、次代の我が国を支えるイノベーションを行う産業育成という本来の主旨から離れ、大企業の不況対策に資金を提供し、しかも成功するはずのないことが歴史的にも明白である政府の直接に向ったため、日本以外全世界の国が未来を賭けているバイオベンチャー企業には資金が回る可能性が無くなっています。たとえ投資が行われた場合でも、大手ベンチャーキャピタルの塩漬けした在庫バイオベンチャー企業の未来のない延命に使われる可能性濃厚です。
 その分なおさら、今年から沖縄に創製されたベンチャーファンド(10億円)と本日審査するベンチャー支援事業は重要となります。既に、内地の企業も含めて10社以上のバイオベンチャーが沖縄で事業展開を始めています。首都圏、中部圏、関西圏が結局、大企業依存を深め、バイオベンチャー育成が既得権に絡め取られて上手くいかないなら、遥か遠くにはなれ内地の既得権にがんじがらめになっていない沖縄に、セイフハーバを創るしかない、と思っています。皆さんも是非ともご注目願います。
 
 さて最後に、沖縄に行かなくても皆さんのアイデアやバイオベンチャー企業にチャンスがあります。10月7日から9日、横浜で開催する我が国最大のバイオマッチングイベント、BioJapan2009です。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2856/
 既に、25社以上のビッグファーマや我が国の大手企業が会場内に、ブースを設置することを決定、加えて世界30カ国以上、我が国の全バイオクラスター、そして我が国のバイオの研究開発を推進する、理研、産総研、東京工業大学、慶応大学など有力大学、さらに国内外のバイオベンチャー600社以上が参加します。参加企業数ば急速に増加中です。医薬、診断薬、医療機器、創薬支援技術、機能性食品、環境・エネルギー分野の技術シーズや共同研究の導入を是非、ここで実現願います。
 昨年は850件以上の面談を実現、今年は倍増したいと考えております。そのために効率の良い、マッチングソフトも完成、確実なアポイントの交渉を可能としました。しかも、今年は無料で無制限に活用できます。まだ、登録数が少ないうちに登録すれば、相手先からアポイントの声がかかる確率も高くなります。どうぞ下記よりご登録願います。今からメールで横浜でのアポイントを取ることも可能です。
https://exponet.nikkeibp.co.jp/match2009/?action_login_input=true
 マッチングソフトの使用法は下記をご参照願います(少し重い)。
https://exponet.nikkeibp.co.jp/match2009/manual.pdf
 誰かが電源をオンにした家電製品を貨物室に搭載したことがばれ、飛行機はまだ羽田を飛び立つことができません。一体どうなることやら。
 今週もお元気で。