もう申し込みなさいましたか?締め切りは6月18日正午です。
 6月19日午後、品川で開催するBTJプロフェッショナルセミナーは、今後のバイオ研究者や創薬研究者、環境エネルギー関連の研究者など、およそバイオと名付く研究の強力な武器となる、次世代シーケンサーを取り上げます。
 スポンサーのご厚意により、助手、大学院生、学生は無料招待枠を設定しました。有料、無料募集とも会場の制約で、もうすぐ締め切りとなります。どうぞ下記より、アクセスの上、お早めにお申し込み願います。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/seminar/090619/index.html
 レアルマドリードが、ACミランからブラジル代表のカカを引き抜いたことで、驚いていたら、更に、Cロナウドもマンチェスターユナイテッドから史上最高の130億円超で移籍が決定しました。これでジダンの移籍金の記録が塗り替えられました。確かに凄いですが、この2人を軸にどういったチームを作るのか?チャンピョンズ・リーグ、国王杯、リーガエスパニョーラの優勝と3冠に輝いた宿敵バルセロナを打破するためには、まだ選手とビジョンが不足しています。やはり、プライマリーの育成を本気でやってこなかったつけを、レアルは支払わなくてはなりません。
 バイオでも、2700億円突っ込んで、30人の花形研究者に大見得を切らせるのも重要ですが、この資金と花形研究者を活用して、実は2025年ごろの我が国の生命科学と、バイオ産業を牽引する若手人材を育成することを義務つけなくてはなりません。
 花形研究者の奴隷を増やしただけの、ポスドク1万人計画の愚を再び犯してはなりません。是非とも、選考の際には、人材の育成計画(それも彼もしくは彼女のテーマを逸脱する自由も盛り込むべき)も重要な基準とすべきであると思います。
 週末は、箱根で医療セクター会議に参加してきました。
 全国から影響力のある医療関係者や経済学者、政治家が缶詰となって、現在の我が国の抱える医療問題の解決を目指して議論しました。米国の共和党のロビーイストが、組織し、米J&J社、米Pfizer社、米Merck社が支援している会であることを、明確に頭に入れて、情報の軽重を判断する必要がありますが、医師、看護士、薬剤師、保険組合、病院経営者、政治家、患者団体、シンクタンク、官僚(過去官僚)、製薬企業が合計70人も参加して、議論を進めることは非常に意味があります。
 こうした議論を通じて、各人の視野も広がり、自分達が関係する利益を守るだけでなく、国民全体の幸福と健康のために、どう資源配分すべきかを考えることができる人材も育ちます。
 今年で第3回ですが、今回も問題と指摘されたのは、1)国民医療費と公的医療費は増やすべきである、2)保険料以外に税金で負担している医療費(これが自治体病院の赤字補填など結構多く、見えない公的医療費となっている)の使い道に関して、精査し、救急医療など診療報酬では維持できない医療基盤や地域の医療基盤整備などに適切に使うべきである、3)財源問題に関しては、保険料率の上昇や消費税も含め議論すべきである、4)各病院など医療機関単位ではなく、地域で医療資源の連携と適正配分を図るべきである(臨床研修医問題なども地域で議論)、5)医師が独占している医療行為を、看護士やその他の医療関係者にも適切に分担できるように規制を緩和する、6)そのためにも、医師や医療関係者はプロフェッショナルとしての規律と質を保ち、国民に信頼される専門家集団を形成する、7)地域の医療や医療機関の経営を可能とする人材の養成と確保、8)そもそも日本の医療に関する公開データが不足しており、IT化を導入し、医療の質と国民の健康を評価できるような情報の収集と公開を行うべきだ、中でもレセプトデータの公開と活用は、政府の医療行政の評価のためにも必要不可欠であり、2011年のレセプト電子化の好機を生かすべきである、9)患者や医療関係者にも病院機能や医療・医師に関する分かり易い情報開示を進めるべき、10)初等中等教育で医療や国民健康保険などについても教育すべきだ、11)医療改革に大儀名分を与える医療基本法を制定すべきだが、これは手段であって実効性のある制度改革や国民議論を続けなくてはならない---などの指摘や主張がなされました。
 今回は医療の産業化の議論が時間がなくすっぽり抜け落ちました。自立的なビジネスによる資金循環と医療の自立化のベクトルよりも、衆議院選挙や東京都議会議員選挙前という状況から、公的な負担や保険料の議論に集約されたのが特徴です。もう目の前の政治選択の機会に、参加者のアドレナリン分泌が上昇していました。
 一人だけ、米国のロビーストだけが「自民党が勝つ」といっておりましたが、それ以外の参加者のほぼ全員(過去官僚も含めて)が、今度の総選挙で間違いなく政権交代があると確信しており、この会議でまとめる提言も、各政党の態度を明白にする踏み絵を意識しているものでした。
 医療は国民の安寧と幸福に直結するものです。他人事ではなく、自分達が選択し、その責任を負うことを明確にするためにも、総選挙や地方選挙の争点にしなくてはなりません。
 今回、現在、我が国で最も官僚に影響力を持つ、元官僚が、社会保障国民会議の答申(2008年12月)を、医療費の抑制政策の転換を迫ったこと、費用対効果などのシミュレーションまで示したことで、空前絶後の画期的な報告であると、胸を張りました。確かに意味のある報告ですが、その肝となる地域医療計画の推進をどうやるかなど、具体的な実行計画ではありません。むしろ、こうあるべきだという秀才学者が作った作文であることに衝撃を受けました。よくある高額なコンサルタント企業のレポートと同じで、こうすべきだと書いてあるが、どうやれば良いかは書いていない、書き物でした。むしろ、こうすべきだという知恵がない。むしろ、現場にいくと「利害関係が錯綜しており調整不能」であるから、まず理念から創ったという説明でした。
 でも、この現場の利害調整がなければ、総ては画餅に帰することも事実です。この計画には君の質問の答えが盛り込んであるという指摘をこの案の作成に参画した学者から指摘を受けましたが、私の質問は本当に実行可能なのですか?実行するための、切り札は何なのですか?というもっと実際的なものでした。そんなものはどこにも書いていませんね。実際に、この計画の実行責任者は都道府県知事を想定していますが、民間病院に知事は命令する権限はなく、地域医療資源の適正化のために、例えば診療科を統廃合することを迫って、赤字になったとしても、補填する責任もありません。
 もう一つ言えば、総てが政府の指導を受けて来た地方自治体に、自らの知恵で地域医療のビジョンと効率的な資源配分と運営ができる人材もいないという現実です。しかも、国は相変わらず自由に考えろといいながら、都道府県に余計な指導も続けて、人材が育つことを阻害しています。今回の補正予算で、地域医療基盤整備事業に突然3100億円も投入することを決めましたが、これも都道府県には予算申請の雛形を提示し、それ以外は受け付けないないという親切さです。
 非常にバランスが難しいことも事実ですが、政府の干渉を避けつつ、人材を育成する第三の道(大学や第三者機関が支援する可能性など)を早急に用意しないと、政府与党はいつまでも理想的な画餅を唱え、本来、医療行政を担う地方自治体に人材が不足し、だから国の監督や指導が必要という、明治政府以来の中央集権の統治が続くことになります。
 多様性を許さない社会は、国際化・流動化した市場では極めて脆弱です。サブプライム・バブルで、先進国で最も落ち込んだ我が国の現状を直視すべきです。
 もう、ものづくりの甘い誘惑に乗らず、バイオのように個人個人が自分の知恵で勝負する、新しい知識資本主義に決然と乗り出すべきでしょう。
 ちなみに、米国のロビーストは、実はマケイン候補を支持して負けたばかり、じゃ総選挙の結果を賭けるか?と言ったら、東京都議会議員選挙の結果が分かってからと、かわされました。何のことはない、彼も分かっているのです。
 今週もどうぞお元気で。