遥か離れたスコットランドで故障を抱えながら奮闘している中村俊輔の努力も空しく、セルティックスが首位陥落です。今年のライバル、レンジャーズは強いので果たして、連続優勝が可能か、心配です。自分を追い込んで鍛える若者が少なくなった今、俊輔の奮闘は光を与えるものです。補正予算で2万人の研究者を海外に派遣するファンドが盛り込まれました。他流試合こそ、蒙を啓く近道です。このメールの読者も是非、手を挙げていただきたいと思います。
 さて、読者である札幌医科大学の鳥越先生から「新型インフルエンザに関して、日本は騒ぎすぎだ」というご意見をいただきました。私も弱毒性であることが判明したことと、国内に感染者が存在することが明らかとなったことから、新型インフルエンザ対策は、水際で食い止めえるという幻想に基づいた対策から、国内で新型インフルエンザ患者が多数発生した場合に医療をどう供給するかという整備と国民の教育を行う段階に来たと思います。
 もう新型インフルエンザ患者は多数国内に存在するという前提で、事に備えるべきだと思います。発熱患者の受信を拒否した医療機関をメディアが批判する前に、どうやって医療や抗ウイルス剤を供給するか?現実に沿って実務的に対応策を詰める段階もう来たのではないでしょうか?
 大袈裟に水際作戦や記者会見を行うというパニック的対応から一刻も醒めて、実務的な感染拡大防除に手を打つべきだと思います。これから我が国は夏に向います。多湿によってインフルエンザウイルスは感染力を失います。北半球の感染のピークは夏には低くなると思いますが、南半球は冬に向い、ここで新型インフルエンザウイルスが越冬した場合、今年の冬に北半球で新型ウイルスの第二の流行のピークが想定されます。
 喉元過ぎたら熱さを忘れることは、新型インフルエンザウイルスではあってはならないことです。
 下記に鳥越先生のウェブサイトを示します。
http://hwm6.gyao.ne.jp/alpha156/About%20Me.html
 概ね賛成ですが、新型が弱毒性である段階ではむしろ感染しておいた方が良いという意見には賛成できません。感染患者が増えれば、新型ウイルスの数と増殖回数が増加し、変異を拡大する危険性があるためです。新型ウイルスには感染機会は社会として抑止すべきだと考えます。
 むしろこうした対処は新型ウイルスに対するワクチンに期待すべきであるのが王道です。幸い高齢者が新型ウイルスに感染しても症状が軽い可能性が出ており、以前流行した季節性インフルエンザウイルスと新型ウイルスが交叉免疫を持っている希望も出てきました。新型インフルエンザワクチンによる症状の軽減も大いに期待できそうです。
 今週Science誌のオンライン版に発表された研究では致死率も0.4%と季節性インフルエンザの倍程度でありました。まずは手洗いなどの感染防御、感染したら早期の抗ウイルス剤投与と安静で対応すべきです。
 一番難しいのが今年の冬のワクチンの選択です。年間20万人感染し致死率が0.1%の季節性インフルエンザのワクチンか?新型インフルエンザに対するワクチンか?南半球の今後の感染状況や抗ウイルス剤に対する耐性獲得が判断の鍵となると思います。
 詳細で広範囲なサンプリングによる多数の新型インフルエンザウイルスを対象に、ゲノム解析や、HLAによる提示抗原分析など免疫原性などの研究を粘り強く行う必要があるでしょう。
 今回の新型インフルエンザ騒動で、今までのインフルエンザワクチン開発では考慮されていなかった新しいタイプのウイルス抗原も発見されています。災い転じて福となす努力を忘れてはなりません。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/2061/
 最後に、新型インフルエンザ対策の鍵も握っている次世代シーケンサーのセミナーを6月19日午後品川で開催いたします。国民の健康だけでなく、幅広い分野に応用し、事業化も拡大する次世代シーケンサーの活用について白熱の議論を皆さんと繰り広げたい期待しています。どうぞ下記より詳細にアクセスの上、お早めにお申し込み願います。スポンサーのご厚意で、助手と大学院生・学生の無料招待も行いますので、どうぞご期待願います。無料招待解析開始は改めてこのメールでお知らせいたします。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/seminar/090619/index.html
 皆さん、今週もどうぞお元気で。