まずは皆さんにお知らせを。
 いよいよ6月19日に東京で開催するBTJプロフェッショナルセミナーの受付を開始いたします。今回のテーマは次世代シーケンサーのどう生かすか?技術開発の最新動向とシーケンサー拠点などのあり方も議論いたします。
 今回は有料ですが、間違いなくためになります。次世代シーケンサーがどんな事業やサービスを生むか、そしてそれがどう社会に定着するか?きっと皆さんとビジョンを共有できるはずです。どうぞ下記よりアクセスし、お申し込みをお急ぎ願います。
http://bio.nikkeibp.co.jp/bio/seminar/090619/
 まだ5月ではありませんが、東京は素晴らしい五月晴れです。
 新緑が誠に美味しそうな季節となりました。
 今朝の官邸前の噴水の柳も青々と、風にゆらゆらと揺れていました。この風景はブログにも写真を後で掲載いたします。歴史的な風景となるはずです。
http://blog.nikkeibp.co.jp/bio/miyata/
 本日午前開催された臨時閣議で、真水で15兆円の景気対策を盛り込んだ09年度の補正予算案を了承しました。国会で可決されれば、膨大な科学研究費が投入されます。2000年から始まったミレニアム計画に匹敵する科学技術バブルが再びやって来ることは間違いありません。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/1720/
 上記の記事は、大学や公的機関の関係者に限定しますが、下記のBTJアカデミックで全文を読むことが可能です。500円玉一つで、1ヶ月BTJアカデミックの記事は読み放題ですので、是非ともご活用願います。
http://biotech.nikkeibp.co.jp/senmonn/btj_aca.jsp
 科学バブルの例は以下のようなものです。
 文部科学省は日本学術審議会に3000億円の資金を拠出、基金を今回の補正予算で創設いたします。この内、2700億円で1テーマ、5年間で平均総額90億円の科学研究を30件支援します。これくらいの金額があれば、わが国でも世界をリードする科学研究のメッカを作れます。但し、従来の大型プロジェクトのように、皆で分けて小分けに資金を投入するのでは、無駄遣いに終わることは明白です。
 一人の天才に90億円委ねるべきです。
 但し、天才といっても条件があります。健全な常識を持ち、チームをマネージメントできることです。しかも、明確な次の科学技術に関するビジョンを持つていることも必須条件です。しかも、5年間、嫉妬の渦にも平然とプロジェクトを進める鉄の意志も必要です。
 こうした条件を考えると、わが国に30人(90人を訂正しました)も該当者がいるのかな?と心細くなります。まあ、足りなければ外国から連れて来るという手もあるじゃないですか。
 09年度補正予算による科学技術研究費の投入を、科学バブルと皮肉りましたが、これはミレニアム計画が終了した時に、更に悪いことに国立大学法人化が重なり、事務費として大学が科学研究費の競争的資金から上前をはねたこともあり、大学の科学研究費のバブル崩壊が起こったことを、皆さんに想起していただきたいがためです。
 今回もし、こんなにも科学技術研究費に投入したのに、結局無駄遣いだったと国民に判定された場合、これが最後の科学技術研究費バブルになるのではないかと恐れています。学生数、大学院生数共に減少しつつある大学にもうこれ以上、期待できないと、短兵急に国民が思い、中でも両親が思い、学生の理科離れを加速することを心配しています。
 第3期の科学技術政策でも明示されていますが、この5年で国民に雇用や所得の向上、あるいは安心と安全でも構いませんが、何らかの価値を目に見える形で、科学技術研究費が生み出す必要があります。
 但し、何でもかんでも、企業でもできるような商品を作ることではありません。こうしたことは産学連携を通じて、その道のプロである企業に行っていただきましょう。工学部の先生にこの思い違いが多いので特に要注意です。
 大学や研究機関は、知の最前線を開拓し、知財を確保した上で、その価値を社会や企業に分かりやすく説明することが重要です。特に、知財を確保した上で....というフレーズが重要です。
 なんだか難しい、概念がこなれていない言葉で研究の成果を話しても、誰も皆さんの価値を認めません。昔は、「これは聞いた人の能力が劣っている」の一言で処理することができましたが、今は「話した科学者の能力が劣っている」の一言で評価されることになります。
 
 このメールの読者でも、15人程度は90億円の巨大プロジェクトに当る方がいると思いますので、くどく申し上げますが、科学技術研究の成果の価値や意味を社会に伝えるのは義務である、そしてその際に、知財をしっかり確保することも責務であります。
 説教臭くなって恐縮ですが、それだけ今回の科学技術研究費の投入は重要なのです。科学立国を可能にするか、私たちは分岐点に立たされています。
 今週もどうぞお元気で。