本日は東京。東京の新緑もまた見事です。
 
 皆さん、10月7日から9日まで横浜で開催されるバイオジャパン2009にどうぞご期待願います。今朝ほど、共催するバイオインダストリー協会と先ほどまで打ち合わせの会議を行っておりました。
 何と24社以上のビッグファーマや我が国の製薬企業、医療機器、機能性食品の技術導入を求める企業が、ブースを出し、決定権のあるライセンス担当者を会期中、横浜に貼り付けることが決まりました。今まで、技術を発表する展示会はありましたが、技術導入するライセンス担当者がここまで集結するのはバイオジャパン2009が初めてです。今までの展示会とは一味もふた味も違います。
 バイオジャパン2009に、バイオベンチャーや大学でシーズを持つ研究者は是非ともご参加願います。時間をとっておいてください。今回は希望のライセンス企業や大学とマッチングできるソフトウェアも充実、めったには遭えない皆さんの未来を拓くキーパーソントとめぐり合うことができます。第二のイーベックを目指しましょう。来月にもマッチングソフトを稼動させます。
 バイオジャパンの詳細と出展などのお問い合わせは、どうぞ下記のサイトからアクセス願います。
 http://expo.nikkeibp.co.jp/biojapan/ 
 滅多に得られないチャンスですぞ。
 さて、個の医療です。
 仏sanofi-aventis社が、2009年4月21日、米BiPar Sciences社を買収しました。
 これが何故、個の医療なのか?
 同社は抗がん剤の新しい標的として注目されるPARP(ポリADPリボースポリメラーゼ)阻害剤、BSI-201のフェーズ2臨床試験を進めており、これを手に入れるために、今回の買収が行われたといっても過言ではありません。
 がん細胞に投与するとPARPのDNA修復機能を阻害して、アポトーシスを誘導、多種のがんで薬効を示すと期待されています。
 BSI-210が最初に臨床試験を行っている対象が、転移性トリプルネガティブの乳がんであることが、個の医療のかかわりとなります。患者の乳がんで、エストロジェン受容体陰性、プロゲステロン受容体陰性、HER-2陰性である場合、現在の乳がんの治療薬がほとんど効かない悪性の乳がん、つまりトリプルネガティブの乳がんになります。
 性ホルモンであるエストロジェンやプロゲステロンの受容体陽性の乳がんは、患者の6~7割に上りますが、これはホルモン療法が効きます。エストロゲンは乳がんの増殖を促進します。エストロゲンが受容体と結合することを阻止する抗エストロゲン剤や性ホルモンの分泌を抑制するLH-RHアゴニスト、アンドロゲン(男性ホルモン)をエストロゲンに変換する酵素、アロマターゼ阻害剤などが、患者の乳がんのエストロゲン受容体の有無によって処方されます。まさに個の医療です。
 一方、HER-2抗原が陽性の乳がんには、HER-2と結合し抗がん作用を示す、ハーセプチンが投薬されます。乳がんは標的分子が複数あり、それに応じた医薬品の開発が進み、個の医療の優等生となっています。
 最後に残った問題はこうした医薬品の標的を欠くトリプルネガティブの乳がん患者でした。PARP阻害剤はこうした患者にとって、最後の望みとなるものです。個の医療で残された乳がんが救われるか、今後の臨床開発の推移が注目されます。
 ひょっとしたら、PARP阻害剤はエストロゲン受容体陽性やHER-2陽性の乳がんにも、効果がある可能性もその作用機構からあります。
 個の医療も極まれば、汎用性のある医薬開発につながるかも知れないのです。
 皆さん、今週もどうぞお元気で。