東京の皇居の半蔵門では桜が三分咲以上です。
 このところ、春が加速しています。コブシの白い花と染井吉野が同居、さらにしだれの濃いピンクの花もほころび始めました。あっという間に、初夏になりそうな勢いです。これが本当に温暖化ゆえなのか?それとも大きな気候変動なのか?実に悩ましい。しかし、この現実を見れば、炭素消費を削減したくなるのは国民の情です。いまや環境に優しい経済を再構築するコンセンサスは出来たのではないでしょうか?
 しかし、消費者は正直で、環境に優しい経済もコストが高いのでは、お話になりません。本田のハイブリッドカーが低価格でトヨタのプリウスを売り上げ台数で抜いているのはその証左です。環境に優しく、お値段もお財布に優しい。グリーンエコノミーが定着するには、本当にエコノミカルでなくてはなりません。尚、一層の技術革新がこの分野では必要とされます。
 09年にはセルロースを原料とした第2世代のバイオエタノールが商業化すると、今月、フランスLyonで開催されたBioVision2009で華々しく、デンマークNovozyme社の社長が打ち上げましたが、本当に石油の値段が80ドル/ガロンを割っていても商業化可能なのか?という鋭い質問が集中しました。
 中進国の経済が離陸し、エネルギー消費は間違いなく先進国型に迫り、石油価格は長期的に見れは、60ドルから70ドル/ガロンに達する見通しです。この価格帯で次世代のバイオエタノールが競争可能になるには、まだまだ技術革新が必要です。現在でもブラジルなら可能ですが、米国や欧州では疑問、我が国では問題外といった状況です。
 では太陽電池に我が国の産業が活路を見出すべきなのか?2008年に中国が国家の強力な支援で、太陽電池の生産量でいきなり世界第二位まで踊りでました。果たして、この分野で我が国は勝てるのか?
 景気対策のために、5月に予定されている09年度補正予算でも、太陽電池の普及の補助金(東大総長は麻生首相に太陽電池を普及させるための国債発行を提案した模様ですが)が検討されていますが、国内市場を拡大させるにはよいのですが、10年後を見据えて、我が国が太陽電池生産競争で勝てる見通しがあるか定かではありません。資源に乏しく、消費地からも遠隔な我が国で太陽電池競争に勝ち抜くためには、物質特許に裏打ちされた次世代の太陽電池の開発が不可欠です。それだけの基礎研究を我が国が継続して行っているのか?あっという間に台湾と韓国、そして米国にも負けた半導体産業とのアナロジーがどうしても頭に浮かびます。
 ではバイオはどうすべきなのか?
 植物バイオ、セルロースの分解手法、C5とC6の発酵によるエタノール最適生産技術、エタノールの分離法、エタノール以外のバイオ燃料技術開発、副生物の商品化、などなどまだまだ課題山積みです。我が国ではこうした技術革新を実現して、海外で生産拠点を持つ必要があるでしょう。国内需要としては、生ごみなど小規模のバイオマスによるエネルギー生産と微生物・酵素電池などへの展開が必要だと考えています。
 リチウム電池など、今後エネルギー密度を増せば増すほど、発火や爆発などの危険性も増大します。低電力でも、長い期間、安全に電気を供給できる微生物電池には、まだまだ技術開発と市場の余地があると確信しています。
 さて、お蔭様で。今年最初のBTJプロフェッショナルセミナー「統合オミックス」(3月30日午後、東京品川)、満員寸前です。本日か明日にも締め切りです。緊急開催のため、今回は無料で参加いただけます。
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 最後はお詫びです。先週のメールで下記のように誤りました。汗顔の至りです。ご指摘ありがとうございました。ここに訂正いたします。
誤 寒天に慈雨を待つよりは、自ら井戸を掘る。
正 干天に慈雨を待つよりは、自ら井戸を掘る。
 寒天は保水力抜群でしたね。これに懲りずにどうぞ宜しく願います。
 今週もお元気で。春をご堪能願います。