東京は雨です。
 本日は2月下旬に公募が開始される産学連携拠点の選定委員会が経産省の二階の会議室で開催されました。室内で写真をとっていると、そっと渡された紙に、この委員会の議論は非公開と書いてあるじゃありませんか。どうも会議室が狭く、家族的な雰囲気でした。
 従って、このメールでは議論の詳細はお伝えできませんが、既に産学官連携拠点の説明を全国で行っており、公開済みの対外説明資料からに限定させていただきますが、微妙なてにをはの違いで、本日の会議の雰囲気を推察いただければ幸いです。
 8年前から文科省と経産省が着手した知的クラスター、産業クラスター事業の集大成とも言えるものが、今回の産学官連携拠点の形成支援であります。明治以来、初めて文部科学省と経済産業省が共催する事業です。両省が連名で産学官連携拠点を指名するという前代未聞の事業です。
 もともと、知的クラスターと産業クラスターが昨今では連携し出したとはいえ、事業主体も予算も異なるため、事実上、同じ地域でありながら連携がほとんど進んでいないのが実情でした。こうした施策上の無駄を省くために、両省共管の今回の事業が提案されたことは、誠に意味があると思います。
 何故、こうした仕組みが可能だったか?
 具体的にはスーパー特区と同じで、予算が直接この事業にはつかない(文科省は一部用意しましたが)認証という手法を活用したためです。現在の縦割りの予算制度では両省が共に同じ事業に支出するというフレームワークは財務省は理解できない。また、会計検査院も理解できないかも知れません。従って、具体的な予算措置を明示しない、産学官連携拠点というお墨付きを与えることで、両省が用意した、クラスター支援予算を個々の事業の選択の歳に優先的に(但し、How much?は明示されていません)配分することを期待させ、両クラスターで蓄積してきた産学官連携の部品を組み合わせることを誘導することが、今回の産学官連携拠点の眼目で
す。
 「平成16年の参議院決議等において規制と振興を分離すべきとされています。した がって、規制当局である厚生労働省や総合機構が研究の振興には関与することは適当でないと考えます」といった説明が、第一回のスーパー特区薬事相談会で厚労省からあったように、こうした認証施策は、内閣府や各省庁の上層部は理解できても、各省庁の実行部隊では理解されない場合が多いのです。あまりに新しい施策概念であるため上半身と下半身がねじれているのです。
 「スーパー特区に認証されたが、何もない」という応募者の不満も聞こえています。このメールでも申し上げましたが、スーパー特区が予算を保証する棚からぼた餅だと認識することは危険で、これは予算のない国家がやるべき規制緩和を推進するために、市井の声を集める制度であるのです。そのため、もっとスーパー特区に認証された関係者は声を大にして、国に制度改革を迫らなくてはならないのです。それを受け取った内閣府は身を削っても、各省庁の下半身を矯正しなくてはならな
いのです。
 産学官連携拠点は、ここまで捻れてはいません。文科省と経産省という二筋のクラスター支援事業(実は現場では両省極めて密接に連携したいました)を、認証という仕組みで一つにまとめようという施策です。
 これが上手くいくかどうかは、世界の成功しているクラスターには必ず存在する地域のネットワークのコアとなる人と組織が、この認証制度によって縦横に動くことができるかの一点にかかっていると言っても良いでしょう。ここに上等な人材と資金を供給し、東京とは違う、地域の価値をイノベーションによって実現し、しかも、国の支援が消える10年後にも自立的にイノベーションと地域文化を拡大する
仕組み・基盤を整備する必要があるのです。
 江戸時代には存在した多様な地域文化を明治以降の政府が消してきた、償いのプロジェクトでもあります。このプロジェクトを進める中で、地域とは何かが、改めて問われることになります。どうぞご注目願います。
 今週もどうぞお元気で。