自宅の近所ではもう桃の花が咲き始めました。日曜日の風といい、陽射しの明るさといい、東京では春が背中をつつき始めました。
 さて、皆さん、当社の日経BP技術賞の読者大賞にご投票いただきましたか?1分間で済みますので、どうぞ皆さんの清き一票を下記よりご投票願います。
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 ところで、先週のキムヨナのショートプログラムの演技は彼女の精神と肉体が渾然一体となった素晴らしい出来でした。70点を超える史上最高点を獲得したのも納得です。フリーの演技で転けたのは愛嬌です。故障を抱えていた真央ちゃんも頑張りました。来年のオリンピックの戦いはこの二人の究極の戦いとなると思います。ここまで二人が進化すると、多分、勝敗を分けるのは、精神力と運。国の支援も無く、国内にたった100人しかフェイギュアスケートの選手が居なかった韓国から世界のトップに立とうとしているキムヨナに一日の長があります。今では韓国のトップアスリートやモデルとして潤沢な資金を手に入れ、練習場所を次ぎの冬季オリンピックが開催されるカナダに移し、カナダ人のコーチを付け、万全の構えです。
 フィギュアスケートが、スポーツなのか?それとも芸術なのか?
 二人の究極の争いは、二者択一に対して回答を迫るまで高まることを、期待させますね。
 さて、バイオでも、バイオベンチャーは一般投資家が投資の主体なのか?それともプロの投資家に限定すべきなのか?という選択があります。私の答えは簡単で、利益を生む商品パイプラインやビジネスモデルが出来るまでは、素人のデイトレーダーが手を出してはならないというものです。研究開発にはリスクを大きく、専門知識を持つた投資家か、ポートフォリオで投資できる資金的な余裕のある機関投資家や富裕層でなければ、リスクを管理することが難しいのが実態だからです。
 日本のマザーズ、ヘラクレス、ネオなどの新興企業向け株式市場は、残念ながら、興隆時にはその主役はほとんどがデイトレーダーでした。2006年には株式分割による株価操作が制限されたことと、その後のホリエモン・ショックで蜘蛛の子を散らすように、デイトレーダー達が新興市場から去り、株価は一貫して下がっております。
 しかし、一般投資家向けの新興ベンチャー市場という欧米では考え難いわが国の3新興市場に上場できても、結局は調達資金が10億円に満たない企業も現れました。上場準備費と上場維持費とその手間を考えると、これらの市場はバイオベンチャーにとって、株式を流動化できるという点を除いて魅力の無い市場になってしまいました。
 この背景には金融庁の一般投資家保護の原則があります。一般投資家保護の美名の下に、詳細な情報開示を義務付け、バイオベンチャーなど新薬が発売されるまで、どんなことが起こっても不思議ではないイノベーティブ!!なバイオベンチャーに対して、前四半期に予測した売上げと利益見込みが一致しなかったと株価が下がる、悪循環に陥らせてしまった責任を取らなくてはなりません。今までの製造業やサービス業と同じことができると偽装したのですね。
 今年4月1日に開設されるプロ向けの株式市場、東京AIMはわが国初のプロ向け市場。一般投資家保護一本槍で新興市場を崩壊させてしまった金融庁も創りたかった市場です。投資適格者(機関投資家、企業、富裕層)と外国人が投資する市場です。投資するためには、この市場に参加する証券会社に申請して、投資適格者である認定を受ける必要があります。上場企業の手間と費用を削減するために、四半期開示を不要とし、上場までに1期と半期の会計報告があれば良い、さらには英文での申請や開示も認めました。
 上場の適格性はロンドン株式市場のAIM(東京AIMには49%ロンドン証券取引所が出資しています)と同様、引き受け証券会社が判断を行い、マーケットメイクも行います。今まで、株式市場が行っていた機能を証券会社に振り向けました。証券会社が本当に、技術革新を評価できるか?東京AIMでは問われることにもなります。少なくともバイオは、そしてITも、わが国の証券会社は適切な評価を歴史的に行えなかった事実を考えると、この点は悲観的です。
 但し、海外の証券会社が東京AIMに参加することも可能で、またロンドン市場と重複上場も可能となったことは期待できます。プロ向け市場の創設で、わが国の新興市場にも黒船がやって来ることになったのです。
 やっぱりこれしか、国を変えられないのか?
 ちょっとがっかりですが、「夢のある企業をわが国でも育てたい」と、東京AIM開設に猛進している担当者のインタビューを近く、BTJに掲載いたしますので、どうぞご期待願います。
 今週もどうぞお元気で。