現在、香港の新興住宅地、沙田に滞在しています。ここから香港科学技術園、つまりサイエンスパークまではタクシーで15分の距離です。
 スイスNovarits社が主催、世界20カ国から若き学生や大学院生を招き、多国籍・多文化の環境で、バイオベンチャー企業のビジネスモデルを競う、International BioCampの取材のために、香港に参りました。今回は香港科学技術園の全面的支援で、奇妙な、そして宙に浮いている黄金色の卵型の講演会場が主会場となっています。
 24日から既に、10のグループに学生が分けられ、Unmet Needsの医薬品を開発するベンチャー企業を創業するという課題に挑戦しています。バイオの研究者だけでなく、医師やビジネススクールの学生も混ざり、正に多国籍企業の業務をシミュレートしたビジネスコンペです。
 今年は従来の東南アジアと欧州に加え、メキシコ、トルコ、エジプト、ロシア、中国本土などが新たに、学生を派遣しています。先進国の金融システムが崩壊した以上、米国がイラクから撤退して、無駄遣いしている戦費(多分、銀行に資本注入する4倍くらいあります)を削減することに加え、これらの中進国の発展なくしては、地球は立て直せない。そうしたことをビッグファーマのNovartis社が見通していると私は思います。
 製造業資本主義では、均一で阿吽の呼吸で分かる日本人の集団や教育システムはよく機能しましたが、これからはマイナスにしか働かない、ことを肝に銘じるべきです。
 BTJを通じて、参加者を募集しました。日本での予選会で選抜された3人の1人は東大にマレーシアから留学したTohさんとなりました。当初、国籍を問題にすることもありましたが、我が国だって、すでに地球レベルの国境を越えた競争に曝されていることを考え、もう国籍を不問に、国内選考も進められました。
 このメールを読んでいる若い学生の方に、是非とも日本だけでは生きていけないことを体感として理解していただきたいと思います。バイオだけでなく、語学と異文化への興味、そして皆さんは何と言っても時間には恵まれていますから、旅をしていただきたいと思います。
 私も旅から学んでいます。
 今、最もどきどきしているのは、午前9時に沙田から電車(MTR)に乗り、中国本土まででかけるのですが、本当にたどり着けるか? という情けない心配です。外見はただの電車でも国によって運行の思想が違います。結構、電車では痛い目にあっております。
 午前10時にShentzhenの駅でお迎えに会えるでしょうか?
 もし、会えたら、Beijing Genomics Instituteの第2世代DNAシーケンサーをずらりと並んでいる壮観を皆さんにお伝えしたいと思います。
 さてその間にも、学生はBioCampの最終審査に臨んでいます。午後にはとんぼ返りしてその様子も取材いたします。下記でブログしていますので、どうぞご覧願います。
http://blog.nikkeibp.co.jp/bio/miyata/
 さて最後に、では我が国の大学の国際的な評価はどうか?
 25日に発行した08年10月のBTJJでつまびらかに、Biotechnology Japanの河田編集長が分析しておりますので、どうぞ下記よりダウンロード願います。
http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/index.html 
 もう我が国だけの蛸壺から、這い出さなくてはなりません。
 今週もどうぞお元気で。