現在、東京国際フォーラムで開催中のイノベーションジャパンの現場でこのメールを執筆しています。全国の大学がシーズを持ち寄り、積極的に発信しています。バイオのシーズでも5件は面白いものを発掘いたしました。
 産業化のメカニズムが不足していることと、大学教官の意識の立ち遅れから、大学はややもすると産業化に貢献していないといじめられることが多いですが、未だ世界第2位の研究開発費を費やしている国であります。まだまだ新しいアイデアやシーズは湧き出していることを、確認いたしました。
 さて、個の医療です。
 米Stanford大学のグループが、アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)の遺伝子型が心臓虚血発作後の心筋の障害の程度を決めていることを9月12日に発表しました。虚血発作後に、組織修復のシステムが生体では作動しますが、その引き金のシグナルをALDH2の活性が担っている可能性があるのです。実際、ALDH2の活性を誘導するアゴニストをスクリーニングして、虚血発作後にこのアゴニストによって、組織障害を抑制することに成功しました。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/5964/ 
 現在はラットのモデルの実験です。仮にヒトに外挿できたとすると、困ったことに東洋人は虚血発作後に心筋梗塞部位が拡大し重症化し易いという結論が導き出されます。
 ALDH2の不活性型(ALDH2*2)は、飲酒した場合に悪酔いし易い遺伝型としても知られています。アルコールの代謝産物のアセトアルデヒドを分解できないため、悪酔いします。ホモで不活性型を持つ人は、まったく飲酒できない場合が多いと思います。
 東洋人では約4割が不活性型(ALDH2*2、飲酒困難という表現型を示す)か、ALDH2の酵素活性が野生型に比べ6%以下と非常に低いタイプ(野生型のALDH2*1とALDH2*2のヘテロ接合体)を持つためです。白人や黒人はほぼ100%が野生型ALDH2を保有しています。ほぼ同等の心虚血発作が起きた場合でも、東洋人の方が心筋梗塞が重症化する可能性があるのです。
 今年の8月のバイオファイナンスギルドで、参加者のALDH2の遺伝型を調べましたが、この時は単に上戸か下戸かを判定するお遊びでしたが、医学が進歩するとALDH2の遺伝型が心臓虚血発作の重症度を予測する重要な因子であることが、後で分かってしまったのです。遺伝型の医学的な意味が後で判明することは、今後も起こるでしょう。
 10年以内にもし、個人毎のゲノム配列が解読できるようになった場合、後で悪い病気に関連した遺伝子の発見などが起こることを想定して、患者さんとの合意や情報の扱いを決めなくてはなりません。
 さて最後に、BioJapan2008の見所情報です。10月17日午後3時より4時まで、「Personalized Medicine ジェノタイピング」(B-12)で個の医療を議論いたします。どうぞ奮ってご参加願います。下記のサイトより事前登録願います。もうすぐ残席がすくなくなります。
https://biojapan2008.com/public/application/add/37?lang=jp
 会場でお会いいたしましょう。 
ps
 BioJapan2008、10月、横浜で開催です。しかし、セミナーの受付はもう順調に進んでいます。
 
 お蔭様で山中伸弥教授のセミナーはほぼ満員となり、会場の拡大を迫られました。
 
 主要なセミナーはそれほどでもありませんが、順調に席が埋まりつつあります。
 
 後悔先に立たず。どうぞ、余裕のあるうちに予約願います。今年は総て無料で参加可能です。下記のサイトの左下にセミナー予約の入り口があります。
http://expo.nikkeibp.co.jp/biojapan/index.html 
 
 さて、10月に横浜で開催する我が国最大のバイオ展示会・シンポジウム、BioJapan2008の準備はちゃくちゃくと進んでおります。夏季休業中にウェブでビジネスマッチングシステムにやっと登録いたしました。本日で合計600社・機関のバイオ専門家が登録、BioJapan2008での意味ある出会いを求めて、アポイント取りや展示ブースへの勧誘を始めています。インターネットの世界では、もう既にBioJapan2008は始まっているのです。
 
http://expo.nikkeibp.co.jp/biojapan/matching/index.html