スーパー特区に144件もの応募があった模様です。まるでスーパー特区の指定を受けなければ、2009年度予算は確保できない、といった切羽詰まった状況を応募者が感じでいるが如きです。
 昨日、テニスの試合中に友人の携帯にメール号外が入り、米国の証券第4位のリーマンブラザーズの破産を知りました。第3位のメリルリンチもバンクオブアメリカによって救済合併されました。確かに、サブプライムローンの行き詰まりに端を発した、米国の住宅バブルの破綻は、今後数年の世界経済に暗い影を落としそうです。我が国も大型の景気浮揚対策をタイムリーに発動する必要があります。当面の危機にどれだけ迅速に、有効に対応するかが重要で、自民党の総裁選挙と続く衆議院選挙を行っている場合ではありません。国会で経済対策に手を打った後に、最低でも解散すべきだと懸念しています。この国の政治家のが政治家であるべき最低限の資質と倫理が問われています。
 人口も減少、国際経済も逼迫、確かにろくなことはないわが国です。国家予算全体は、今後縮小の方向であることを確認しなくてはなりません。昔の新聞記事や雑誌の記事によくあり、最近の学会やクラスターの会議で良く聞く議論ですが、「この重要性に鑑み、国はもっと支援しなくてはならない」という結論は残念ながら、もう成り立たない。あるいはどこかを削ってまで、科学技術に予算をぶんどってくる迫力のある議論を、皆さんが出来るのか? まるで棚ぼたを待つ精神構造では、これから縮小する国家の限れたパイを確保することも難しいでしょう。
 妙なことに、イノベーション創造機構の創設に係わる議論を取材した時に、一番危機感を持っていたのは財務省で、1兆3000億円とも言われる産業投資特別会計の余剰資金の一部をバイオなどの技術革新に投入することは、あっさり決まりました。最後の最後で、本当に拍子抜けでしたが、福祉や高齢者対策も結構ですが、国の経済成長なしには、豊かな老後も当然無いことを認識し、今、イノベーションに投資すべきだと思います。皆さんも技術突破が重要だという国民的合意形成に努力を今惜しんではいけません。
 何故、こんな分かり切った議論を蒸し返したのかというと、実はスーパー特区応募殺到の背景に、09年度国家基幹研究に投入する別枠研究費2600億円を確保するために、国立大学の運営費交付金が2%カットされるという事情があります。理研などは5%以上カット、独立行政法人でも経産省系は国産ジェット開発資金を捻出するため、大幅な予算カットを突きつけられているからです。労働人口が既に減少しているわが国では、消費税を増額しない以上、増収は望めません。サブプライムの前に既にわが国の国家は厳しい状況に立たされているのです。
 本来なら予算は08年度にまったく付いていないスーパー特区の申請にこんなにも殺到するのは、09年度に文部科学省、経産省、厚労省が予算要求しているスーパー特区枠を狙っているためだと思います。
 スーパー特区にしろ、イノベーション創造機構にしろ、皆さんの切羽詰まった思いが込められています。期待と言い換えても良いかも知れません。こうした認定や資金投入によって、「よし、これから頑張ろう」という意欲を掻き立てることが重要です。
 そのために何が一番重要かというと、審査委員会の公明正大さです。特に、お手盛りで自分の関連企業やファンドに利益誘導することは絶対許されない。また、ネガティブな意味でも自分のライバルを意図的に貶めることも許されないでしょう。本来、利益相反が予測される委員を選出すること自体が間違いです。私の耳に入っている限りでも、イノベーション創造機構に、自らのベンチャーファンドを持っている委員が、臨床開発を加速するスーパー特区では臨床研究の受託を受ける可能性のあるCROの関係者が、それぞれノミネートされています。通常、利益相反の可能性のある審議や審査では席を外すことが今までの審査会の不文律でしたが、彼らは一体どうやって中立性のある審査や審議を行うのか? 実質的に不可能なのではないでしょうか? 申請事実を知るだけでも、営業に役立ってしまうことを考えると、できるだけ避けるべきだと思いますね。
 今回は李下に冠を正さず、皆さんの意欲をくじかないためにも、一寸の疑いをいだかせない人事が重要です。専門知識がどうしても必要だというなら、まず委員全員に利益相反情況を公表させ、記録に取り、さらに審査後に資金を投入したプロジェクトと利害関係を結ぶことを禁止し、プロジェクト終了後3年にわたって調査、いずれも国民の前に公表すべきだと思います。
 スーパ特区とイノベーション創造機構は、今後わが国が先端技術立国できるかどうかを決める重要プロジェクトであります。マスメディアや関係者の期待も強く、公明正大、正々堂々とことを決めるべきであると思います。まだ、委員会の構成が固まっていない今だからこそ、真摯に考えていただきたいと願います。
 さて、まるで選挙のようですが、最後のお願いです。
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 会場でお会いいたしましょう。
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 10月に横浜で開催する我が国最大のバイオ展示会・シンポジウム、BioJapan2008の準備はちゃくちゃくと進んでおります。夏季休業中にウェブでビジネスマッチングシステムにやっと登録いたしました。本日で合計600社・機関のバイオ専門家が登録、BioJapan2008での意味ある出会いを求めて、アポイント取りや展示ブースへの勧誘を始めています。インターネットの世界では、もう既にBioJapan2008は始まっているのです。 
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 実際、登録して見て自信もって申し上げますが、今回のソフトは簡単で使い易い。皆さんのシーズやアイデアをどしどし登録(英語でも願います)し、世界中の出会いを実現いたしましょう。
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