塩野義製薬が皆さんの技術シーズを共同研究するプログラム、FINDSに皆さん、もうご応募なさいましたか? この研究プログラムは、皆さんの智恵を創薬や新薬という姿に、塩野義製薬が汗と資金を提供して共に育て上げようというプロジェクトです。
 応募締め切りは6月30日、残された時間は5日のみ。たった1500文字で、皆さんの技術やアイデアの概要をまとめれば、ご応募可能です。どうぞ下記より詳細を参照の上、奮ってご応募願います。トランスレーショナル研究の一つの突破口であると思い、BTJはこのプログラムを全面支援しております。さあ、皆さん急ぎましょう。
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?id=20053633 
http://www.shionogi.co.jp/finds/
 さて、個の医療です。
 実は遺伝型分析だけで、治療対象となる患者さんを鑑別したり、患者さんの今後の病態を予測するのは限界があります。
 本当の意味で個の医療を実現するためには、ゲノムだけでなく、プロテオーム、トランスクリプトーム、メタボロームなど、Omics研究を総動員しなければならない、と常々主張してまいりましたが、さらに有力バイオマーカーとなる候補が見つかりました。
 皆さんの予想通り、エピジェネテイックスです。
 米Orion Genomics社はそのパイオニアの一つで、インスリン様成長因子2(IGF2)遺伝子のインプリンティングの喪失(ROI)を測定することで、大腸がん患者の4割に該当する30代に発症する中程度の早期発症患者を鑑別する可能性を、先週、San Diegoで開催されたBIO2008で発表しました。ROIはIGF2遺伝子の場合は、母から由来するIGF2遺伝子が脱メチル化された結果、エピジェネティックスによって遺伝子発現が本来なら抑制されていることが解除され、細胞成長因子であるIGF2の生産が亢進していました。
 遺伝的な原因が優先している家族性の大腸がん患者は、患者全体の2から3%に過ぎません。現在、同社は前向きの臨床試験中であり、中等度の早期発生患者を、鑑別できる有効性が証明されれば、20倍もの大腸がん予備軍を診断することができる訳です。
 ライフスタイルの改善や予防的な薬物療法で、こうした予備軍の発症を少しでも、遅らせることが可能となるかも知れません。
 通常ROIの解析は、大腸がんなどの組織が必要になって、事実上こうした検査は普及困難と思われますが、Orion社は血液中のゲノムDNAとIGF2のmRNAを定量解析することで、簡単にROIを解析する手法を編み出しました。
 現在はIGF2と大腸がんのエピジェネティックスのみが解析の対象となっておりますが、この概念はきっと幅広い疾患の箇の医療化に貢献すると確信しています。
 詳細は下記の記事を参照願います。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/4084/
 どうぞ、急速に進むエピジェネティックスの研究も注目下さい。無料のPDFマガジンBTJJでも取り上げていますので、合わせてお読み下さい。
http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/
 今週も皆さん、お元気で。
 
 PS
 最近ブログを始めました。徒然に重要な情報を提供しています。インドなどについても言及しました。勿論、当たりはずれもあります。どうぞ下記からアクセス願います。
http://blog.nikkeibp.co.jp/bio/miyata/
 PS2 
 ところで秋から冬にかけて学会シーズンの準備をいたしましょう。ランチョンセミナーを開催予定の企業関係者に提案です。Biotechnology Japanでは、皆さんが苦労して面白いセミナーを展開していることに注目しています。会場の成約でせっかくのセミナーをご覧になれる方はせいぜい200人止まり、しかもその半数はお弁当目当てというのは、いかにももったいない。
 Biotechnology Japanが提供するWeBridgeを使えば、会場に来れなかった研究者に、セミナー資料をもれなくお届けすることが可能です。現在までの実績では、平均400人以上のバイオ研究者がダウンロードしています。大手製薬企業や主要大学の意識の高い研究者や関係者がアクセスいたします。講師との調整などにも対応します。
 詳細は、btj-ad@nikkeibp.co.jp までお申し込み願います。