昨日は、大阪でバイオビジネスコンペの最終選考会を開催しておりました。新しいバイオビジネスの息吹を感じ少し元気になりました。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/3555/
 さて、本日締め切りです。もうご検討いただけましたか?
 関東経済産業局が、BioJapan2008(10月、横浜)で創薬系ベンチャーに限定して、無料プレゼン枠を追加募集を5月28日夕方から1週間行います。今回、BioJapan 2008には、我が国の製薬企業7社以上がもう既に参加を表明、決定権のあるライセンス担当者も出席し、ベンチャーのシーズをレビューいたします。また、バーチャルマッチングシステムも完備、直接担当者と面談を設定できる、新時代の展示会となっております。前臨床準備中の創薬シーズのある企業はふるってご応募願います。下記を参照して、お早めにお申し込み願います。
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?id=20053373
 先週の金曜日から1泊3日で米国Chicagoに出張するという愚行を敢行いたしましたが、これは米国臨床腫瘍学会(ASCO)の大会が開催されていたためです。私は早々に帰国しましたが、スタッフが一人現在、猛烈に取材し、現地報告しておりますので、Biotechnology Japanのニュースサイトで是非ともご覧下さい。
 なぜなら、ASCOのメイントピックスの一つは間違いなく、個の医療だったからです。中でも、抗体医薬「ERBITUX」(Cetuximab)の効果とがん遺伝子、k-rasの野生型遺伝子の関連が最も熱い注目を浴びていました。k-rasに突然変異を持つ患者は直腸がん患者の40%程度存在し、ERBITUXの効果が少ないことが明らかとなったためです。欧米でもアジアでもk-rasの突然変異の割合は変わらず40%の患者には、ERBITUXの効果は期待できないということです。
 今回発表された大規模臨床試験の結果は、OPUS試験とCRYSTAL試験。OPUSでは化学療法のFOLFOXにERBITUXを上乗せした効果を、CRYSTALでは化学療法のFOLFIRIにERBITUXを上乗せした効果を検証した。全被験者を対象とした解析結果は昨年、公表されており、いずれの試験でも無増悪生存期間と奏効率(CR+PR)を改善していた。今回発表されたのは、k-rasの遺伝型に応じて患者をグループ化して解析した結果だ。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/3547/
 CRYSTALのサブグループ解析では、k-ras野生型の患者グループでは、無増悪生存期間の中央値がERBITUX投与群で9.9カ月、プラセボ群(野生型)が8.7カ月と有意に治療成績が改善した。しかし、k-rasの変異型患者群では、有意差はなかったが、ERBITUX投与群で7.8カ月、プラセボ群で8.1カ月とERBITUXを上乗せすると、逆に治療成績が低下した。がん病巣の有無や縮小を解析した奏効率でも、k-ras野生型患者群ではERBITUXを投与した場合、59%だが、プラセボ投与では43%とERBITUX投与が有意に治療効果があった。ところがk-ras変異型患者群ではERBITUX投与すると奏効率が36%と、プラセボ投与の40%よりも有意差はないが下回った。別の大規模臨床試験であるOPUSのサブグループ解析でも、まったく同様な結果であった。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/3471/
 米国では既にERBITUXが発売されているが、現在、販売勧奨を08年5月30日に出した欧州医薬品庁科学委員会では、こうした臨床試験の結果を受けて、ERBITUXの治療対象患者をk-ras野生型患者であり、ERBITUXの標的たんぱく質である上皮細胞成長因子受容体をがん組織で発現している患者に限定すべきだという条件をつけた。米国ではこうした条件はなく、欧州医薬品庁が正式認可で個の医療の限定条件をつけるかは決まっていないが、注目に値する動きだろう。
 では我が国ではどうするのか?
 08年5月23日に厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会を、「エルビタックス」通過した。報告事項であるため、前例に従えば1、2カ月以内に開催される薬事・食品衛生審議会で、対象患者の制限なしに承認される見通しだ。しかし、高額な抗体医薬をみすみす効かないと分かっている患者に投薬すべきか? 勿論、患者に無益な期待を抱かせ、治療機会を奪うことも問題です。議論を急速に進めなくてはなりません。厚労省の誠実な対応を求めたいと思います。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/3257/
 今週もどうぞお元気で。
 ps
 大阪商工会議所の支援で、6月にBIO2008に参加するミッションを派遣します。今回はお隣のアリゾナ州に足を延ばし、医薬品の臨床開発を迅速化する技術やシステム開発のために米食品医薬品局も参加して創設されたCritical Path Instituteを見学するのが目玉です。どうぞご一緒いたしましょう。詳細は下記よりアクセス願います。
http://www.osaka.cci.or.jp/Seminar_Event/bio2008_mission/index.html