神奈川県在住の読者から情報提供をいただきました。ありがとうございました。
 さて、武田薬品が2010年に同社藤沢工場跡地(藤沢市と一部、鎌倉市)に開設を予定している新研究所に対して、地元で説明を求める動きが高まっている。P3施設を住宅地が取り囲む工場跡地に設置する武田薬品のセンスが、湘南市民に受け入れられるか?7月5日に公聴会が開催される。「大阪の繁華街、十三でもP3を稼働させていても問題はなかった」と主張する強気の武田薬品と、わが国でも人権意識の高い湘南市民が折り合いがどうつくのか?注目に値する。
http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20080523ddlk14040234000c.html
http://www.pref.kanagawa.jp/press/0805/069/bessi2.html
 武田薬品が神奈川県環境影響評価条例に従い、2007年12月に提出した新研究所立地に伴う「環境影響予測評価書案」に対する意見聴取を、08年2月に行ったところ。ある程度の病原微生物を取り扱うP3施設の設置などに対して懸念を表明する意見が寄せられた。
 これらの意見に対して、08年5月16日に、武田薬品が見解を記した意見書を提出したところだ。5月23日から6月23日まで、神奈川県庁や支所で公開されている。
 耐震性やテロ対策、加えて、十三での実績を掲げて、武田薬品は正面突破する見解を示しているが、果たして議論がソフトランディングできるかは疑問だ。神奈川サイエンスアカデミーなど、遺伝子組み換え実験そのものもできない研究施設が神奈川県にはまだ残っており、神奈川県や藤沢市・鎌倉市の支援と、武田薬品の誠実な情報公開と話し合いの姿勢が必要になるだろう。
 直球勝負で武田薬品が地元の指示を得るとするなら、わが国の市民もバイオ研究に対して理解を深めたという証左となる。
 もし、P3施設が事実上運転できないとなると、現在、急速に市場を拡大している感染症ワクチンなどの研究を、海外で展開せざるを得ないなど、戦略の練り直しに迫られるかも知れない。
 万に一つも無いと思うが、袖にした大阪の彩都に戻るというオプションも残ってはいる。(宮田満)