現在、大阪でバイオビジネスコンペの相談会に参加しています。
 浪速の空は青く、白い夏雲が浮かんでおります。
 そういう訳で、あまり時間が無いので、簡単に本日は収めさせていただきますが、これだけは皆さんにお伝えしたいと思います。
 究極の個の医療である、iPS細胞開発に大きな落とし穴がありました。
 iPS細胞は自分の皮膚やBリンパ球などから、遺伝子を3つ導入するだけで、拒絶反応の無いMy ES細胞が作れると期待されています。ヒトの受精卵を破壊する必要もなく、ES細胞の倫理的な障壁も突破できた、と皆大騒ぎしています。簡単に言うと、ヒト細胞の初期化や分化・発生の仕組みを解明し、再生医療を実現するために、最大の制約だったヒトES細胞を作製する必要がなくなる技術が、iPS細胞なのです(以下にBTJジャーナルの関連記事を示します)。
http://biotech.nikkeibp.co.jp/btjjn/pdf/btjjn0804.pdf
 しかし、今週の日曜日から京都で開催されていたiPS国際シンポジウムでは、iPS細胞の研究を進めるためには、もっと多数のヒトES細胞を樹立して、相互に比較、さらに研究が先行するマウスES細胞とも分子レベルで比較しなくては、再生医療に安全に活用できるような理想のヒトES細胞がそもそも定義できないことで、世界の最先端の研究者の見解が一致しました。
 ヒトES細胞に限りなく近いiPS細胞を作るためにも、理想的なヒトES細胞を定義するため、もっとヒトES細胞を樹立しなくてはならんという矛盾があるのです(関連記事とブログをご覧願います)。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/2725/ 
http://blog.nikkeibp.co.jp/bio/miyata/
 今や全世界で「もうES細胞研究は時代遅れだ」といったムードが生まれていますが、それはとんでもない考え違いであることを、皆さんの心に刻んでいただきたいと思います。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2005/2816/
 今週もどうぞお元気で。
ps 大阪商工会議所の支援で、6月にBIO2008に参加するミッションを派遣します。今回はお隣のアリゾナ州に足を延ばし、医薬品の臨床開発を迅速化する技術やシステム開発のために米食品医薬品局も参加して創設されたCritical Path Instituteを見学するのが目玉です。どうぞご一緒いたしましょう。詳細は下記よりアクセス願います。
http://www.osaka.cci.or.jp/Seminar_Event/bio2008_mission/index.html