写真:うつ病になりそうに暗い、文科省の新庁舎の廊下。第二期のオーダーメイド医療の骨子がこの先の会議室で3月28日に決まった。
 インド出張中は不義理をして申し訳ありませんでした。
 お陰様で体調万全でインドより帰国しました。しかし、高速道路をらくだが悠然と闊歩しているインドの多様性を飲み込む貪欲な胃袋には、ただ賛嘆あるのみです。一方で、新薬臨床試験のシステムインテグレーターであるCogizant 社を訪問いたしましたが、ここでは毎年売上げ倍増が続いています。年内にはバイオや創薬、健康支援事業に1万5000人を雇用して、臨床試験管理、データ処理、統計処理、申請書作成まで一括してサービスする体制を敷きます。
 英AstraZenecca社は同社に現在開発中の新薬の臨床試験管理・データマネージメント・そして申請書類作成まで一括で委託する契約を、08年3月に結びました。5年で1億ドルの包括契約でした。
 インドに行って肉体感覚として持ったことは、新薬の臨床開発は今やグローバル治験をアウトソースすることが前提となりつつあり、日本の企業が後生大事に抱えていた日本と欧米の一部の臨床開発要員の存在意義が問われるようになったということです。AstraZenecca社やPfizer社は臨床開発の人員そのものをリストラしています。
 今やシーズはバイオベンチャーや大学から、臨床試験はアウトソース、更には販売などのアウトソースも進むと、製薬企業は知財の確保と、創薬シーズに対する買い付け、販売網の最適化に競争力を特化する方向に進まざるを得ないのでしょうか?
 おとといお会いしたわが国の製薬企業のトップが「ビッグファーマは既に終焉したブロックバスターモデルの次を掴んでいない。今や漂流している感じだ」という発言が心に刺さります。
 カオスのMunbai市内から一歩離れたビジネスゾーンには、にょきにょきと高層ビルが建設されており、その成長のスピードにびっくりさせれらました。
 Cognizant社はバイオ研究の発展によって、ゲノム情報やバイオマーカーなど創薬に必要なデータの爆発的増加が起こっていることも、次のビジネスの種子であると認識しています。 当然、個の医療は彼らのオフショアサービスの中核の一つとなるでしょう。
 どうです、皆さん、皆さんのゲノム情報やカルテ情報が、インドの巨大なサーバーで処理されて、適切な処方指針などが、フィードバックされる時代がやがてやってくる可能性があります。
 データ管理などのコストとマンパワーの問題もオフショア化で解決できるかも知れません。いずれにせよ、インドが臨床試験という貴重なデータをきちんとマネージメントできたという実績を積み重ね、信頼関係を築く必要はありますが。
 インドに行って、インドでも生物統計学者が少ないことを知りました。数学大国で統計学者は数多く輩出しておりますが、生物統計学者への再教育を企業が行わなくてはならない情況です。わが国には3人しかいないという冗談もありますが、多分5人はいない悲劇的な情況を打開しないと、猛烈な数学力、生物統計力が要求される個の医療を実現することは難しいかも知れません。
 0を発見した国で、わが国の個の医療の落とし穴に気づきました。
 今週も皆さん、お元気で。