写真:昨夜の熊本城。エネルギーを放射しています。
 先ほど、春霞に浮かぶ熊本から戻りました。
 全くの余談ですが、熊本城からいつもエネルギーを分けてもらいます。今回も何とか夜に時間を取り、ライトアップされたお城を愛でましたが、いつもながらその圧倒的な迫力に感動すら覚えます。このお城が、西南役で西郷軍の前に立ちはだかったために、西洋列強による占領も無く、武士階級を磨り潰し、四民平等の下に文明開化をアジア諸国に先駆けて実現しました。
 本当は開祖、加藤清正が徳川が天下取りに乗り出した時に、豊臣秀頼を匿うのが熊本城の真の目的でした。1611年に清正が亡くなり、3年後に大阪冬の陣、そして1615年に夏の陣で豊臣家が滅亡、熊本城はその意味を失ったのです。しかし、その262年後に、熊本城は維新の反動を消滅することで貢献したのです。武士の世を自分の生命共に消し去さることを選択した偉大な革命家、西郷隆盛も熊本城の威力は計算済みであったと思いたいと思います。
 皆さんもエネルギーの充電が必要な時には是非とも熊本城を訪れるべきです。
 最高の場所はKKR熊本の庭であります。公務員共済が運営するKKRの立地は素晴らしく、KKR大阪も大阪城の絶景を独り占めしています。明治維新が生んだ官僚国家はしぶとく残っています。そろそろ次の近代化、つまり政治による行政の制御を期待する時期です。次の衆議院選挙が楽しみです。
 さて、個の医療です。
 新しい細胞治療のガイダンスが公表されました。
 3月11日、厚労省が、「ヒト(同種)由来細胞・組織加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する指針案」に対するパブリックコメントの募集を開始したのです。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&BID=495070319&OBJCD=100495&GROUP=
 細胞移植には、患者さんの細胞を培養して患者さんに移植する、自家細胞移植(オート)と他人の細胞を培養して患者さんに移植する他家細胞移植(同種移植、アロ)の2種類があります。
 今回の指針は、他家細胞移植の臨床試験を行う前に必要な確認申請に関する完全性確保の指針です。最終的に他家細胞医薬を医薬品として申請する際の品質確保と安全確保の指針が制定されれば細胞治療に関する指針が揃うことになります。
 自家細胞移植は医療行為の側面が強く、受託生産・受託サービス的な色彩が強いのですが、J-TECが夏頃には販売する見込みの自家培養皮膚、「ジェイス」が初めて、院内製剤という病院内部のサービスの壁を破りました。どういう薬価がつき、同社がどうビジネスを展開するかは極めて興味深いところです。
 しかし、自家細胞移植はどうしても患者さんの皮膚を培養するために、注文生産に成らざるを得ない苦しさがあります。医薬ビジネスに近づけ、細胞医薬、つまり予め細胞を培養しておいて、患者さんが来た時に直ちに供給するためには他家細胞移植が必要です。他家細胞移植は細胞医薬という概念を成立させるためには不可欠なステップであると考えます。
 今回の指針は、中胚葉性幹細胞の他家細胞移植でフェーズIIIに米国で既に入っている米Osiris社から技術導入し、日本でも移植の拒絶反応抑止を目的に、臨床試験の申請を行っている日本ケミカルリサーチに対応したものです。4月にパブリックヒアリングを終了、指針が定まれば、わが国でも他家細胞医薬の本格的な臨床試験が始まる算段です。
 一歩一歩、医療技術は進歩しています。最終的には拒絶反応の鍵を握るHLA型のことなる細胞株を200種を揃えて、他家細胞移植でありながら、自家細胞に限りなく近いサービスにも発展する可能性があります。
 今週も皆さん、お元気で。 
  Biotechnology Japan Webmaster & 個の医療 webmaster 宮田 満
ps
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