真上から富士山を眺めた経験はありますか?
 本日、臨床検査学教育学会の取材のために高松に飛んでおりますが、その途上、富士山の頭を覗くことができました。黒々とした山頂が雲間から見えます。キャビンアテンダントも「こんなこと滅多に無い」と無理やり、隣の客にも覗かせたほどです。その間、窓際の私は仰け反っておりました。
 確かに印象的でしたが、富士はやはり遠くから観た方が美しい。
 まさに、夜目遠目傘の内。あまり剥き出の山頂を直下に見下ろしても、やっぱり火山だなと確認できた程度で、心を打つことはありません。
 むしろ、週末、御巣鷹山に墜落したJAL機のボイスレコーダーの音声と航路を重ねて表示したフラッシュをインターネット上で見つけて、心も汗をかくほど、緊迫した状況を知ってしまい、合わせて犠牲者とそのご家族のご苦労に思いをはせたことが蘇ってきてしまいました。また、随分前ですが、やはり航空機が富士山上空の乱気流に巻き込まれて、空中分解した事故もありましたね。
 高松に飛ぶのに、何故、富士山の北側を飛ぶの? つまり飛行機の航路に疑問を感じつつ飛んでいるのです。
 さて、そんな疑問を心に引っ掛けながら、8月27日中には決まる第二次安倍内閣の閣僚人事を解読しようとしています。どっちにころんでも、組閣はメディアの批判は避けられませんが、安倍内閣がどっちに飛んでいくのか? そして何時まで飛べるのか? を占う重要な人事となることは間違いありません。
 私が注目しているのは、財務相と厚労相人事です。現在の尾身財務大臣は、ライフサイエンス議員連盟の会長でもあり、バイオ支援派です。また、科学を新たな票田に変えた、もしくは変えようとする先見性があり、産学連携や基礎科学、イノベーションにも積極的に関与して来ました。
 また、柳沢厚労相は年金問題や失言問題などで翻弄されましたが、バイオの現在の喫緊の課題である、新薬開発促進とベンチャー育成の重要性を認識し、官民対話や創薬戦略5ヵ年計画などを打ち出しました。
 加えて、今回の組閣で、「イノベーション25はどうなるの?」という質問を多数の方にぶっつけましたが、半分以上が悲観的な意見を述べるなど、参議院選挙敗退の影響によって、民主党が掲げた大きな政府への潮流が流れ出しました。
 小さな政府による徹底的な行政の効率化で日本の経済の復興を目指した小泉改革の後継者は、改革による政府の財政投入に依存した産業の縮小(地方では顕著です)と雇用の減少を、イノベーションの実現によって補完することを標榜しました。これによって、人口減少に直面する我が国が再び成長するロードマップを描こうとしたのです。イノベーション25はまさにその役割を担ったものなのですが、出来上がったものが、各省庁の雑多な思惑が混在したひたすら楽観的なポンチ絵では迫真性を欠いてしまいます。
 むしろこれから、イノベーションを真剣に考えなくてはならないと思います。もし、第二次安倍内閣にイノベーション担当大臣が設置されるなら、今度こそ今までの案を徹底的に再検討すべき、良い機会となると期待しています。
 今晩の組閣終了まで目が離せません。
 高松はまだ厳しい残暑です。皆さんもどうぞ、ご自愛願います。
 PS
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