いや暑い。
 まだ東京は残暑厳しく、先週の土曜日の秋の気配は雲散霧消しております。
 しかし、延長13回で帝京を下した佐賀北といい、この暑さでよくあれだけの集中力を示すことができます。ひたすら感心しきりですが、よくよく考えて見れば、学校の夏休みの都合でこの酷暑に甲子園が開催される羽目になっているのではないでしょうか? 春や秋の運動のベストシーズンに、大会を開催させてあげたい。見る方もその方が楽しいのではないでしょうか?
 やはり諸悪の根源は学校教育と野球が混同されている今の制度に問題があります。特待生の問題もここを切り離せば、すっきりと整理できますし、スポーツでまず名を売る新設私学も少なくなるはずです。
 さて、これは切り離すことはできません。Biotechnology Japanとわが国最大のバイオ展示会・シンポジウムBioJapan2007です。9月19日の開催まで、残り30 日となりました。今号からBioJapan2007の一押しガイドを皆さんにお伝えいたします。昨年までは杜撰なセミナーの事前登録システムで、同時刻に複数の予約が可能であったため、皆さんにご迷惑をおかけしました。しかし、今回から採用した新システムは、当たり前のことですが、同時刻に1つしか予約できません。本当の指定席となりました。前回の経験から予約しなくても大丈夫だろうという安心は禁物です。どうぞ下記のサイトの左カラム下のセミナー事前登録ボタンを押して、ご登録をお急ぎ願います。
http://expo.nikkeibp.co.jp/biojapan/
 一押しガイド第一弾のお勧めは、基調講演です。
 また、建前だけじゃないのと疑い深い読者が居ることは分かっておりますが、今回は自信を持って基調講演を聴講なさることを、お勧めします。
 今回の講演者は選りすぐりです。あらゆる誘惑を断ち、バイオの未来を担うグル(オピニオンリーダー)をお招きしました。今のバイオを彼らのオーラから実感していただきたい。
 まずは、米Alnylam Pharmaceuticals社経営最高責任者のMaraganore John氏を、お招きしました。Lyon市で念押しした時も「絶対行く」と約束してくれたナイスガイです。同社はよっぽどの間違いがない限り、第二のAmgen社になることが約束されている有望企業です。siRNAに関する特許ポートフォリオは群を抜いています。同社だけが米NASDQ市場で、臨床試験入りしている医薬品候補が一品目もなく、その技術基盤と特許群だけで、上場に成功した伝説の企業です。同じ、siRNA医薬の開発企業ながら、しかも臨床試験入りしているのにもかかわらず、07年7月に上場申請を取り下げた米Quark Pharmaceuticals社とは、RNAi研究の厚みが段違いであると投資家からも評価されております。
 次の技術突破のリーダーとなる第三代バイオベンチャーの経営者のリーダーシップを学ぶ絶好のチャンスです。会ってみると、意外にも気さくなおじさん。こうした親しみを肉体感覚で得ることも勉強になりますぞ。
 次の基調講演の目玉は、バイオエタノールなどホワイトバイオの爆発的な工業化の仕掛け人であるデンマークNovozymes社経営最高責任者のRiisgaard Steen氏。実は同社が米国エネルギー省などと開発中の高機能セルロース分解酵素が、世界のエネルギーバランスを変える可能性があります。彼の講演から、バイオが環境やエネルギー分野にどう浸透していくのか、明確なビジョンが伝わってくるはずです。
 もっとも欧米のホワイトバイオのビジネスモデルを直球でわが国に当てはめるのは危険です。豊かな農産物資源を欠く、わが国がホワイトバイオにどう切り込むか、Riisgaard氏の意見から思考深める絶好のチャンスだと思います。
 さあ、急いでお申し込み願います。
 下記のサイトの左のコラムの下の方にセミナー事前登録というオレンジのボタンを押してください。
http://expo.nikkeibp.co.jp/biojapan/
 熱中症でばてばての1週間でしたが、お盆で思考停止していたのはわが国だけでした。株式市場や為替も大変動を記録し、関係者は大童でした。
 バイオでも、8月16日に米国食品医薬品局は、ワルファリンの個の医療を認可、「Coumadin」(抗凝固剤、一般名ワルファリン、米Bristol-Myers Squipp社)の添付文書の改定を認めました。2つの遺伝子の遺伝型によって、ワルファリンの初回投与量や維持投与量が影響を受けることを明示しました。前回認可された大腸がん治療薬、イリノテカンの投薬量を決める解毒酵素UGT1A1 の遺伝子多型を添付文書に盛り込んだ時には、*28という変異型を持った患者への初回投薬量の算定には十分気をつけて、としか表示されていませんでしたが、ワルファリンの添付文書では臨床試験から具体的に維持投薬量が遺伝型によってどれだけ少なく使われているか、その割合を明示したことが画期的でした。これでお医者さんも具体的にある遺伝型の患者さんにどう対応すべきか、明確になりました。
 いよいよ個の医療は医薬開発の本流に踊り出る勢いです。
 詳細は下記の記事、及び、8月22日に送信する個の医療メール(毎週水曜日送信)でお伝えいたします。まだ、このメールに未登録の方は下記からご登録をお急ぎ下さい。今なら間に合います。
○個の医療メール登録サイト
http://passport.nikkeibp.co.jp/bizmail/p-med/index.html
○日経バイオテクオンライン記事
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2004/6395/
 本日のメインイベントです。
 先週のうだるような暑さの中、ふらふらとネットサーフィンしておりましたら、カリフォルニアのメディアが、「日本のES細胞研究のエースがカリフォルニアに来る」と大はしゃぎをしているではないですか。
 調べて見ると、4種の遺伝子をマウスの成体の線維芽細胞に導入してほぼES細胞と同等の全能性をもった人工細胞、iPS細胞を創り出し、いきなり世界のES細胞研究のトップに躍り出た京都大学再生医科学研究所の山中教授が、米カリフォルニア大学San Francisco校(UCSF)の新しいキャンパス、ミッションベイにある非営利の科学研究所、Gladstone研究所とUCSFの解剖学教授に就任すと、8月16日にGladstone研究所が発表しているのです。読めば読むほど、これは大変な頭脳流出ではないかと思い、下記の記事を執筆しました。
 今朝ほどやっと、山中教授にメールで連絡をいただき、「いずれも客員研究員と客員教授で本務は、京都大学です」と確認し、ほっと一息ついたところです。
 しかし、今回の海外進出の背景には、わが国の硬直したグラントシステムと、ヒトES細胞の樹立だけでなく、使用まで規制するという、世界でも特異な研究環境が影響していることは間違いありません。iPS細胞はマウスでは成功しましたが、同じ4種の遺伝子を導入してもヒトでは成功していません。今後世界の競争はヒトiPS細胞を誰が創るかに焦点が絞られています。既にマウスのiPS細胞は、山中教授の手法で、米MITと米UCLAのグループが成功しています。
 この点で、ヒトiPS細胞の研究を行う拠点としてカリフォルニアは、極めて妥当な選択だったと考えます。
 生殖医療の倫理問題とヒトES細胞、そしてiPS細胞を明確に切り分け、問題を整理しなくては、世界で最も高齢化が進んでいるわが国の老人医療の将来の切り札となるヒトES細胞の研究で大きく遅れを取り、今後も実質的な頭脳流出が起こる危険性を感じます。
 本当のところ、どうなのか?
 近く、山中教授をインタビューする予定ですので、是非ともそれまでお待ち下さい。今回のニュースが、京大でのヒトES細胞研究の世界拠点形成やわが国のヒトES細胞研究の指針の見直しに繋がれば幸いではないでしょうか。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2004/6386/
 今週も皆さん、お元気で。
 
 PS
 ところで、そろそろ秋から冬にかけて学会シーズンを迎えますが、ランチョンセミナーを開催予定の企業関係者に提案です。Biotechnology Japanでは、皆さんが苦労して面白いセミナーを展開していることに注目しています。会場の成約でせっかくのセミナーをご覧になれる方はせいぜい200人止まり、しかもその半数はお弁当目当てというのは、いかにももったいない。
 Biotechnology Japanが提供するWeBridgeを使えば、会場に来れなかった研究者に、セミナー資料をもれなくお届けすることが可能です。現在までの実績では、平均500人以上のバイオ研究者がダウンロードしています。大手製薬企業や主要大学の意識の高い研究者や関係者がアクセスいたします。講師との調整などにも対応します。
 詳細は、btj-ad@nikkeibp.co.jp までお申し込み願います。